この先何回かに分けて書いていくつもりですが、先に結論を知りたい方へ。

新UR(UR-Nテープ)は、
・前モデルUR-Mの初期〜中期ロット(赤リーダー)よりも高域特性は悪いが、MOLは高く、+7db付近で歪む(UR-M赤は+4dbほどで頭打ち)。
・前モデルUR-Mの末期ロット(緑リーダー)とキャリブレーション結果はほぼ同じだが、テープが改良されているようで、ヘッドタッチが改善されたのか音切れは少なくなり、高域特性も実用レベルには戻ってきた。

(90分は使用テープが違うと思われるが、今回は未検証)


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・現在、入手可能なテープと質(把握している限り。ネット販売限定の輸入品などは除く。個人的な主観あり)
①maxell UR -N(現行)★★★☆☆
 まずまず良好。高域特性は微妙、MOL良好。
②maxell UR -M(赤/流通在庫限り)★★★★☆
 MOL微妙だが高域とバランス良好、③とは別物
③maxell UR -M(緑/流通在庫限り)★★☆☆☆
 マイナーチェンジで質低下、高域が駄目
④ナガオカ CT ※未検証
⑤ナガオカ CC(流通在庫限り)★★★★☆
 基本バラ売りのため割高だが、比較的良好
⑥stayer (ヤマダ電機で投売り中)★☆☆☆☆
 高域がまともに入らず、整形も悪い
⑦薦田 10〜60 ★☆☆☆☆
 ハーフは良いが、高域特性が悪すぎる
⑧薦田 90(流通限り)★★★★☆
 中高域が良好。ハイ寄りの音になる点は留意
⑨ダイソー(中身がULのものは⑩)★☆☆☆☆
 薦田10〜60と同等か?
⑩100均各社 maxell UL★★☆☆☆
 中身のテープは③と同じ。
⑪Vertex(TSUTAYA取扱)★☆☆☆☆
 薦田10-60と同等か? 90分以上は未検証

ほかにも数年前まではいくつかありましたが、大抵は生産終了で流通在庫もほぼ無いので割愛。それにしても東京電化がカセット生産を20年9月で終了だそう。ナガオカCTって電化じゃなかったっけ?評判の悪くないテープなだけに惜しまれるところです。


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ハタチ過ぎの若造ですが、趣味柄オーディオにはうるさい人間でして、高校〜浪人時代は絶版テープ収集にハマるというなかなかに変態な生活を送っておりました。

まだその頃はUR-Mテープは赤リーダーの比較的音質が悪くなかった頃で、UR-Lテープも探し回れば何とか手に入ったのですが、その後UR-Mの末期ロット(リーダーテープが緑矢印)で高音が全く伸びない問題に当たり、ドンシャリ系の音源ばかり録音していた私には「使えない!」となり、急ぎ赤リーダーのものを探し回ったのもいい思い出です。(その頃にはULの赤リーダーテープ10本セットの流通在庫も底尽きて、近場で入手できるまともに高域が入るテープが薦田の90分テープくらいでした)

……と、それはさておき。

その緑リーダーのUR-Mもディスコンになり、現在UR-Nテープが流通している中、私は買い置きしたテープで過ごしていたのでまだ新モデルを試していなかったのです。
youtubeや5ちゃんねるには続々とレビューが上がっていましたが、自分で試さないことには何も語れませんので、まずは買ってきました。

外装は豪華に、中身はシンプルになりました。
個人的には前モデルのやや煩い感じよりも新モデルのデザインのほうが好きですね。

ただ、正直なところ問題は音質です。外装が良くても肝心なのは中身です。

今回は現行のUR-60Nを、UR-60M(初期〜中期)、UR-60M(マイナーチェンジ後、末期)と比較していきます。

以下の写真3枚とも、上から
①UR-60M(赤リーダーの初期〜中期ロット)
②UR-60M(緑リーダーの末期ロット)
③UR-60N(現行品)




テープはそれぞれ違うように見えますが、60M(緑)と60N(現行)は光の加減によってほぼ同じような色に見えます。表面処理に差があるようで、反射の具合は違っています。
磁性体が違うのか、ベーステープが違うのかはこの時点では判別できません。
とりあえず、全く同じものでないのは確かなようです。



次回投稿でキャリブレーションと音質比較予定。