ペンタックス廉価機の構造的に起きやすい「黒死病」に関しての集団訴訟が始まったらしい(米国)ですね。
殊にお金や不利益といったものに関して、米国人はかなりシビアでえげつない考えを持っていますので(全員が全員というわけではないですが、何かあればまずは裁判というある種の文化ですから、日本と比してそうなるのは当然といえば当然)、法外な額の請求が通ったりしないと良いのですが……。とりあえずは「修理費の金銭的補償」を求めているようなので、対応を誤らなければ滅多なことにはならないものと思っています。逆に、ここで評判を落とすと大変ですがね……。

※スマホの普及に加え、アジア市場はミラーレスが完全に優勢の中、レフ機にこだわるペンタックスにとって、現在レフ機主流の欧米市場はとても軽視できるようなものではないのです。。

いわゆるK一桁機と言われるフラッグシップ機がラインナップから抜け落ちてしばらく経ち、経営が苦しいなかようやく新機種の発表を秋に控えて最終調整というところでしょうから、金銭的にも、ブランドの印象的にもタイミングが悪いですね……。フラッグシップは構造的にこの問題が起きませんから、新機種はこの点に関しては安心して買って大丈夫だと思います。

黒死病は、絞りリングが無いor絞りリングA時に、カメラ側が絞りを制御できず真っ黒な露出アンダー写真になってしまうという故障症状で、K-30やK-50で酷く発生するようです。なお、最新エントリー機のK-70でも完治していないとの報告が見られます。
機能を考えると他社のミドル機と同等レベルのものをエントリーとして比較的安くラインナップしているとはいえ、決して安い買い物ではないので、使用頻度にかかわらず不具合が生じる可能性のある設計というのはやはり購入者としては気にするなと言うほうが無理な話です。
しかし、原因の大半は絞り制御ソレノイドの鉄芯が着磁することによる動作不良とのことなので、根本解決はフラッグシップ機のような3モーター駆動にするというとてもエントリーの価格では不可能なものになります。

日本のサイトでは、自力で修理したとか、金は掛かったが結局修理に出した等がよくみられ、「集団訴訟なんか起こしたら会社潰れちまうから仕方ないやめておくか」といったノリも多いのですが、やはり米国は別のようですね……。

ただ、こればかりはK-30やK-50で散々問題になった末、結局不具合を認めずに今まで来てしまった代償と言わざるを得ないかもしれませんね。
機械である以上、経年劣化や故障が起きない設計など無理な話ですが、構造的に回避できない持病であり、かつ原因がソレノイドの鉄芯と考えると、修理で1万5千円ほど掛かるのは考えものです。リコールが無理だとしても、せめて保証期間内の無償修理と保証期間後の長期の低額修理が可能であれば話は違ったかもしれないですね。

機種によって発生状況も違うようなので、やはり今後の設計見直しも必要なのだと思います。
……ただ、電磁絞りに舵を切りつつある中で、機械絞りの機構に限られた予算を投じるというのもなかなか大変だとは思いますが。。