罰金徴収に躍起となる“一人っ子政策”管理部門-中国
先日、大学の同窓会の集まりに参加した際に、1人の学友が席上で愚痴をこぼしていた。「妻はすでに2番目の子供を妊娠している。しかし、どこでこの2番目の子供を出産すればよいのだろう?」
“一人っ子政策”と中国の人口構造 第1回
先日、大学の同窓会の集まりに参加した際に、1人の学友が席上で愚痴をこぼしていた。「妻はすでに2番目の子供を妊娠している。しかし、どこでこの2番目の子供を出産すればよいのだろう?」
北京で出産するなら、20万元(約260万円)以上の罰金が科される。香港で出産すれば「一人っ子政策」の制限を受けずに、生まれた子供は香港の永住権を持つことになる。だが、北京で香港の永住権を持つ子供をどうやって育てるのかは不安だ。この民間企業のオーナーである学友は宴会の最後に、「解雇される心配はないから、一応、産むまでに罰金を用意するとしよう」と冗談を言ってみなを笑わせた。最近、「一人っ子政策」を真っ向から否定する中国青年政治学院副教授・楊支柱氏が第二子を儲けたために職場をクビになったことが議論された。大学で法律学の教鞭を執っていた楊教授に比べたら、この学友はやはり従順と言えるだろう。
昨日、市場で野菜を売ってた夫婦の周りに遊んでいる3人の子供を見かけた。聞くところによると、3人ともこの夫婦の子供だという。筆者の問いかけに、「戸籍の所在地が田舎なので、計画出産の管理部門に(一人の子供について)1万元(約13万円)ぐらい差し出せば、子供を何人生んでもかまわない。管理部門の幹部らと仲がよいなら、罰金を少し払えば済む場合もある。一人っ子政策に違反する家庭がなければ、計画出産(産児制限)委員会の幹部らはどうやって飯を食べるの?」と、旦那さんが面白そうに語ってくれた。このような素朴な告白にびっくり仰天した。
計画出産(別名:一人っ子政策)が国策として実施されて以来、中国は30年間で4億人の人口抑制を果たしたとされる。当初は人口爆発を抑制するために打ち出されたこの政策は多大な効果を収めたと思う。高齢化が懸念される現在、計画出産をめぐる賛否両論は激化しているが、人口増加抑制に寄与したことは否定できない。
ここでいう罰金は「社会扶養費」とも言われる(「社会扶養費」という言葉の意味を調べてもわからないのでここでは説明をしない)。現在、有名人や富裕層における一人っ子政策に対する違反が急増しているため、有名人や富裕層に対して特別規定を設け、一般家庭よりもさらに高額の社会扶養費を課しているともされる。
計画出産政策施行者である計画出産管理部門は超過出産の家庭に「社会扶養費」という名の罰金の徴収に熱中することになり、それは中国全土で普遍的な現象ともいえる。経済成長の立ち遅れている地域であればあるほど、地方財政に対する社会扶養費への依存度が高くなる。ほとんどの郷や鎮という末端に近い行政レベルでは社会扶養費の10%~15%を計画出産管理部門の経費にするという。
出産政策をめぐる半世紀程前に起きた毛沢東と馬寅初との論争は、最終的に、計画出産の提唱者である馬寅初氏が勝利を収めた。30年前から施行されてきた計画出産政策(一人っ子政策)は、経済学者の馬寅初氏が発表した論文「綜合(そうごう)均衡理論」(『人民日報』1956年12月28、29日/再論『人民日報』1957年5月11、12日)、「新人口論」(『人民日報』1957年7月5日)が説いた人口抑制論および均衡発展論によるものである。
計画出産(出産)政策が施行されてから30年経つが、中国の人口増加率は明らかに減少しつつある。これは、計画出産政策の成績ともいえる。科学的論証を経ずに打ち出された計画出産政策とはいえ、結果から見れば、過度に非難するべきほどでもない。しかし、計画出産政策を長期的な国策と位置付けるということであれば、まだ議論の余地があると思われる。目下、中国では計画出産政策を続けるかどうかをめぐる激しい論争が展開されているが、今後、一部の観点をピックアップして述べていく。(続)
※この記事の著作権は引用元にあります
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100519-00000011-scn-cn
“一人っ子政策”と中国の人口構造 第1回
先日、大学の同窓会の集まりに参加した際に、1人の学友が席上で愚痴をこぼしていた。「妻はすでに2番目の子供を妊娠している。しかし、どこでこの2番目の子供を出産すればよいのだろう?」
北京で出産するなら、20万元(約260万円)以上の罰金が科される。香港で出産すれば「一人っ子政策」の制限を受けずに、生まれた子供は香港の永住権を持つことになる。だが、北京で香港の永住権を持つ子供をどうやって育てるのかは不安だ。この民間企業のオーナーである学友は宴会の最後に、「解雇される心配はないから、一応、産むまでに罰金を用意するとしよう」と冗談を言ってみなを笑わせた。最近、「一人っ子政策」を真っ向から否定する中国青年政治学院副教授・楊支柱氏が第二子を儲けたために職場をクビになったことが議論された。大学で法律学の教鞭を執っていた楊教授に比べたら、この学友はやはり従順と言えるだろう。
昨日、市場で野菜を売ってた夫婦の周りに遊んでいる3人の子供を見かけた。聞くところによると、3人ともこの夫婦の子供だという。筆者の問いかけに、「戸籍の所在地が田舎なので、計画出産の管理部門に(一人の子供について)1万元(約13万円)ぐらい差し出せば、子供を何人生んでもかまわない。管理部門の幹部らと仲がよいなら、罰金を少し払えば済む場合もある。一人っ子政策に違反する家庭がなければ、計画出産(産児制限)委員会の幹部らはどうやって飯を食べるの?」と、旦那さんが面白そうに語ってくれた。このような素朴な告白にびっくり仰天した。
計画出産(別名:一人っ子政策)が国策として実施されて以来、中国は30年間で4億人の人口抑制を果たしたとされる。当初は人口爆発を抑制するために打ち出されたこの政策は多大な効果を収めたと思う。高齢化が懸念される現在、計画出産をめぐる賛否両論は激化しているが、人口増加抑制に寄与したことは否定できない。
ここでいう罰金は「社会扶養費」とも言われる(「社会扶養費」という言葉の意味を調べてもわからないのでここでは説明をしない)。現在、有名人や富裕層における一人っ子政策に対する違反が急増しているため、有名人や富裕層に対して特別規定を設け、一般家庭よりもさらに高額の社会扶養費を課しているともされる。
計画出産政策施行者である計画出産管理部門は超過出産の家庭に「社会扶養費」という名の罰金の徴収に熱中することになり、それは中国全土で普遍的な現象ともいえる。経済成長の立ち遅れている地域であればあるほど、地方財政に対する社会扶養費への依存度が高くなる。ほとんどの郷や鎮という末端に近い行政レベルでは社会扶養費の10%~15%を計画出産管理部門の経費にするという。
出産政策をめぐる半世紀程前に起きた毛沢東と馬寅初との論争は、最終的に、計画出産の提唱者である馬寅初氏が勝利を収めた。30年前から施行されてきた計画出産政策(一人っ子政策)は、経済学者の馬寅初氏が発表した論文「綜合(そうごう)均衡理論」(『人民日報』1956年12月28、29日/再論『人民日報』1957年5月11、12日)、「新人口論」(『人民日報』1957年7月5日)が説いた人口抑制論および均衡発展論によるものである。
計画出産(出産)政策が施行されてから30年経つが、中国の人口増加率は明らかに減少しつつある。これは、計画出産政策の成績ともいえる。科学的論証を経ずに打ち出された計画出産政策とはいえ、結果から見れば、過度に非難するべきほどでもない。しかし、計画出産政策を長期的な国策と位置付けるということであれば、まだ議論の余地があると思われる。目下、中国では計画出産政策を続けるかどうかをめぐる激しい論争が展開されているが、今後、一部の観点をピックアップして述べていく。(続)
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100519-00000011-scn-cn