課題写真A

課題写真A↑




【第01夜】



ギギギギイー。

パタン。

これはこれは。

お帰りなさいませ、お嬢様。

お初に、お目にかかります。

わたくしは、お嬢様専任の筆頭執事であり、

不可知探偵も兼任させていただく

ブラッディと申します。

不可知探偵とは、どういう意味かと?

はい。当然のご質問かと存じます。

不可知とは、

人の知恵では、

知ることのできないものを表す言葉。

しかし、それを、探るのが、

お館様がわたくしに託された

もう一つのお役目。

何でも、

お嬢様は、世の中の不思議な話を

このうえなく、愛されていらっしゃるとか。

御意。

では、このブラッディが、

今日から、このお屋敷にお住いになる

お嬢様のために、

毎夜、不思議なお話を、

紡がせていただきとうございます。

その前に………。

まずは、心ばかりの写真をどうぞ。

(課題写真A)

不肖ながら、わたくしが、

お嬢様のお屋敷のお庭で、

撮らせていただいた一枚で

ございます。

いかがでございましょう?

美しい、バラ色の空に

映えるお屋敷のたたずまい。

建物の漆黒のシルエットは、

まるで、

過ぎ去りし御一族の歴史の重みに、

耐えかねるかのように、

そこここが、歪んですらございます。

お嬢様は、このお屋敷が

下々の庶民に、なんと呼ばれているか、

ご存じでしょうか?

【恨みの漆黒大館】

まったく、不気味な名を

つけてくれたものです。

は?

それは、どういう意味か、と?

それは………(ニヤリ)。

お若いお嬢様にも、いずれ、

お分かりになりましょう。

ささ。

あなたの頬のように、上品に紅い

セイロンティーをどうぞ。

第01夜のお話しは、

少しばかり長くなります、

ゆえ………。