ようやくウィズコロナへと緩和されワクチン3回接種の条件付きで以前通り海外旅行が可能となったので、期限切れが近いJALのマイルを使い切ろうと検索したら年末年始でもヘルシンキ往復が最低マイル数で取れる。燃油サーチャージが10万円と結構なお値段だが、これは北欧が呼んでいると都合よく解釈し急いで予約。

 

まずはストックホルムで。滞在中に競馬開催があるか調べたら、おおあるではないか。

スウェーデンの競馬、日本人にお馴染みの平地競走と騎手が馬車に乗る繋駕速歩競走があるが、当地で人気があるのは圧倒的に後者である。ストックホルムは流石は首都だけあり両方の競馬場があり、平地競走の競馬場ではウィメンジョッキーズワールドカップ2019で藤田菜七子騎手が総合優勝なんてこともあったが、私の滞在時に開催するのは繋駕速歩競走のほうで、solvalla 競馬場が開催地。

 

行き方は電車でSundbyberg→112, 113のバスでSolvalla→北側へ徒歩5分で、競馬場の姿が見える。

 

入場料は150SEK(窓口)/100SEK(ネット)とネットのほうが安い。競馬場のサイトはスウェーデン語のみだが窓口の女性がネットでの買い方を丁寧に英語で教えてくれた。プログラムの冊子は50SEKで窓口で購入。

 

スタンドはなかなか立派である。1階は座席にグッズ販売店に簡単な博物館があり、2階より上はレストランやバーとなっており飲食を取り友人と歓談しながら競馬を楽しむことができる。お客さんも結構な数入っている。

 

コースはダートのみで直線は200m程度とかなり短い。

 

スウェーデンは徹底したキャッシュレスの国で有名であり、馬券はどう買うのか、そして的中した場合の払い戻しはどうするのかが気になっていた。なので早速案内所で聞いてみたところ、"Do you have national ID?" である。「馬券はスマホのアプリで購入」「アプリに個人番号の入力必須なので観光客は馬券買えない」となれば、今日は純粋に競馬を見て予想して楽しむほかない。となれば穴場は当然ないわけで、スタンドの外にある円形の建物は元の穴場が物置になっている。
しかし、まさか競馬場でスウェーデンの国民総背番号制の徹底ぶりに触れるとは。日本に例えるなら馬券購入にマイナンバーの入力必須、マイナンバー利用の普及すら亀の歩みの国とは雲泥の差である。

 

レースの方はどうかといえば、締切が近くなると出走馬が直線コースを周回するので気合乗りなど最後のチェックができる。締切5分前になると場内にラデツキー行進曲が流され馬券購入を促されるが、締切間際にテンポの早い曲を流すのは地方競馬でもやっており、このあたりは洋の東西を問わないようだ。

スタートはこのように自動車が羽を広げるゲートであり、ゲートが走りながら発馬が準備され、スタートラインに立つと羽が畳まれて自動車が一気に加速する。その後はコースを2周するレースが大半だ。

   

騎手が騎乗するレースもあるが、馬車に乗る場合と同様に競走馬は速歩(トロット)で周回するので、日本でお馴染み平地競走の駈歩(ギャロップ)とは勝手が違う。

 

馬券の種類は単勝(VINNARE)、複勝(PLATS)、連勝複式(TVILLING)、連勝単式(KOMB)、3連単(TRIO)であり、オッズは常に画面に掲示されている。もっとも観光客は馬券買えないのであるが。書いてある項目の大半が理解できないプログラムと格闘しつつ予想する。レース間隔は20分と短いので当日プログラムをもらうと検討時間がかなり限られる。2着に人気薄が突っ込むことが多く、馬連で数十倍の中穴がよく出ていた。そして、こういう時に限って予想は的中する(苦笑)

優勝馬には早速記念撮影と勝利ジョッキーインタビューが待っており、シャンパンも準備されている。

 

 

こんな具合で6レースほど楽しんでから競馬場を後にする。初体験の繋駕速歩競走、馬券は買えずともなかなか面白かった。