昨日、学校に行きました。

 

前日、当日の朝、学校へ向かう道中、ずっと苦しくてたまらなかった。

車が学校に近づいて、見慣れた道が見えてきたら感情が溢れ出して止まらなくなった。

りおちゃんが元気だった時は学校に近づくのが嬉しかった道、景色なのに涙が止まらない。

りおちゃんをお空に見送ってから通らずに避けてばかりいた場所、ただ車で通るだけでこんなにダメージがあるんだと思い知った。

 

担任の先生から、校門前に車を停めて下さいとご連絡いただいていたので、入学式、学校行事、参観日や面談で何度もくぐった校門前に車を停めた。

インターホンを押して門を開けてもらい、りおちゃんの写真を抱っこして校門をくぐった。

玄関に入ると担任の先生がりおの荷物を入れた紙袋を持って出迎えて下さった。

 

先日かけていただいた電話に出られなかったこと、こちらからご連絡しますと伝えておきながら電話をかける勇気が無くてお電話できなかったことをお詫びした。

こんな私に先生は体調を心配する言葉をかけて下さった。

優しくて思いやりのある素晴らしい先生。

有難かった。

 

先生にお願いしてりおの2年生の教室に案内してもらった。

りおちゃんの出席番号の机を教えてもらった。

机を抱きしめて号泣した。

涙が止まらなかった。

ここに座ってみんなと一緒に授業を受けたり、給食を食べたりお喋りするはずだったのに。

りおちゃんが居ない。

ここに座るりおちゃんが居ない。

 

先生が「座らせてあげてください」と言ってくださったので、りおちゃんの写真を机に置かせてもらった。

先生から1学期の通知表を受け取った。

「いつもきちんとお話を聞いてお勉強を頑張っていました」と褒めていただいた。

1学期、それも数日しか通うことが出来なかったけど、2年生の終了証もいただいた。

 

たくさん先生からりおちゃんのお話を聞かせてもらった。

騒いだりするタイプではなかったけれど、誰に対しても優しくしていたし、自然にお友達が集まって、たくさん仲良しの子が居たことも教えていただいた。

先生が、「僕これをずっと持ってるんです」と見せて下さったのは、常に首から下げて身に着けておられる身分証明書カードホルダーの裏に入れたりおから先生へのお礼のお手紙だった。

 

休日に外した定期入れをランドセルに付け忘れた日があって、その時に先生から電車代を借りたことがあった。

お返しするお金を私が小さな封筒に入れ、私からは連絡帳に先生へのお詫びとお礼を書き、連絡帳と借りたお金を先生に返してね、と渡した。

りおはお気に入りのすみっコぐらしのかわいいメモに先生へのお礼を書いて、お金と一緒に渡していたらしい。

入院するよりだいぶ前の事だった。

でも先生は大切に残してくださっていた。

 

先生は「こんなお手紙、書いてくれる子いなかったです。だから僕、これを残してたんです」と仰った。

メモは小さなジッパー付きの袋に入れてから先生のカードの裏に入れてもらっていた。

メモが痛まないように袋に入れて守ってもらっていることも嬉しかった。

りおは学校に行けなくなってしまったけど、大好きな先生とずっと一緒に、大好きなお友達とずっと一緒に授業を受けてたんだと思って嬉しかった。

そして先生は「僕はこの先もずっとりおちゃんの担任です」と言ってくださった。

すごく嬉しかった。

嬉しくて涙が出た。

先生もパパも私もずっと泣きながらたくさんりおの話をした。

 

借りたままになっていた図書室の本もやっとお返しできた。

先生から、「給食の時間、僕が何も言わなくてもお友達がりおちゃんの机を拭いてくれています」こんなお話も聞かせてもらった。

嬉しいけど悲しくなるお話し。

お友達の優しさは嬉しい。

でも給食を食べるりおちゃんがいない。

 

一つ、私が学校にお願いしたい事を持って、昨日は先生にお会いした。

それは桜の植樹。

りおの分身として、一緒に入学したお友達と一緒に、大好きだったこの場所で成長をしてほしい、

大好きな学校、この場所にりおがいたことを残したい、お友達に覚えていてほしい、だから桜の木を植えさせてほしいんですとお願いした。

 

担任の先生にこのお話をしているときに校長先生、教頭先生も教室に来て下さったので、校長先生に直接お願いした。

校長先生は確認に少し時間を頂くけれど、おそらく大丈夫だと思います。またご連絡しますと言ってくださった。

 

帰りはりおちゃんを胸に抱いて図書室の前を通り、図書室での思い出を校長先生、教頭先生とお話しした。

担任の先生、校長先生、教頭先生に見送っていただいて玄関を出た。

その時に校長先生は「グラウンド側だとボールが当たって桜が痛むといけないので、植えるならここの木を移設するか、第2グラウンドも含めて考えましょう」と具体的な場所までお話ししてくださった。

 

担任の先生、校長先生、教頭先生、みんな素晴らしい素敵な先生。

りおちゃんの通ってた学校は本当に素敵な場所。

 

りおちゃん、学校に行くまではママ、すごく怖くて行くのが辛くて苦しくて仕方なかったけれど、行って良かったよ。

行く勇気をくれてありがとう。

背中を押してくれてありがとう。

 

行く前の苦しさ、帰り道は不思議なくらい無くなってた。

めちゃくちゃ泣いたし、帰り道も泣きっぱなしだったけど、行って良かった。

 

ずっと「はやく連絡しないと、はやく行かないと」って思ってたこと、りおちゃんのおかげで勇気を出して行くことができたよ。

だから胸につかえていたものが一つ取れたような感覚になった。

ありがとう、りおちゃん。

 

ただね、新年度の準備でいろんなところに掲示してあるものを見て現実を突きつけられたから悲しく、寂しくはなったよ。

「ご入学おめでとうございます」

「ご進級おめでとうございます」

 

一昨年は幸せいっぱいの入学式だったのに。

去年はコロナで登校日は限られてたけど2年生になったのに。

今年の春はりおちゃんがいない。

 

次のクラス替えにはりおちゃんの名前はないもん。

3年○組○番、○○りお、ないんだね。

靴箱もロッカーも机も。

それを思い知ることになった1日だった。

 

りおちゃん、パパもママも悔しいよ。

りおちゃんを守れなくって、学校に戻らせてあげられなかったことが本当に悔しい。

悲しいし寂しい。

 

ごめんね。

守ってあげられなくて。

 

せめてりおちゃんの桜、学校でお友達と一緒に成長していってほしいな。

もしりおちゃんの桜が学校でお友達と過ごせるようになったら、ママは今とは違う気持ちで桜の花を見られるようになれるのかもしれない。

心から「奇麗だな」って思うには何年もかかると思うけど。