0126.jpg 普通に面白かった。


 小劇場時代からのファンのお友達の反応がイマイチだったで、覚悟して見たら、普通に楽しめました。
 たぶん、今回の公演は新感線らしさのベクトルが低くて、その分、一般にわかりやすいものなんだろうなあ。何しろ下敷きがシェイクスピアだし。コアなファンにはものたりなさがが出るのも仕方ない。(私はわかりやすいエンターテイメントが好きみたいです)


 シェイクスピア翻案を続けて見たわけですが、個人的な評価としては『メタルマクベス』より『朧』の方が面白かったです。
 好き嫌いなんだろうけど、主人公のライが悩まない悪党だから。
 芯のある悪党というのかな。
 苦悩する主人公、惑う主人公否定うするわけではないのですが、たぶん、今の私の体調とか気持ちに、ビシっと合った悪党だったのだと思います(笑)。

 私が見た染ちゃん主演のいのうえ歌舞伎は『阿修羅城の瞳』、『アオドクロ』ですが、たぶん、どれよりもカッコよくてハマってました。


 そのカッコよさを支えるのが、キンタ役の阿部サダヲさん。この人がいないと、たぶん、ライのカッコよさの半分も生きてこない。それくらい良かったです。


 本当になあ。せめて1万円切る値段だったら、日頃舞台を見に行かない人にも薦められるのに。
 四季だけじゃなくて、違う演劇の世界も見てみようよ、と、思わずにいられない。
 まあ、今でさえ、チケットがむちゃくちゃ取りにくかったりもするんですけど(笑)。


『朧の森に棲む鬼』

2007年1月2日(火)~27日(土) 新橋演舞場

[脚本]中島かずき [演出]いのうえひでのり
[CAST]ライ:市川染五郎、キンタ:阿部サダヲ、ツナ:秋山菜津子、シュテン:真木よう子、シキブ:高田聖子、ウラベ:粟根まこと、サダミツ:小須田康人、イチノオオキミ:田山涼成、マダレ:古田新太

[あらすじ]
森の魔物《オボロ》から、「オボロの剣」をもらったライ。
ありとあらゆる嘘を生み出す赤い舌と繋がり、その剣は言葉はライを王の座へ押し上げていく。色々な人間の愛や欲や憎しみさえも踏みつけ、利用して、昇りつめていくその先にあるのは何なのか。

 鈴置さん、戸谷さんの訃報の件を書いたばかりの気がするのですが、曽我部和恭さんが亡くなったことを拍手で教えていただきました。
 最近、キャストなどでお見かけしないなと思ったら、2000年に引退されていたのですね。声の衰えを自覚してとのこと。(Wiki、ほんと便利だな)
 声は体の中で一番老化がゆっくりと来る器官と何かで読みました。きっと、視聴者レベルでは気がつかない程度だけど、潔い引き際でいらしたのだと思います。


 私、アニメ見ない期間がずいぶんあって、2年ちょい前からまた見だした時、キャストが知らな人ばっかりでびっくりした覚えがあります。若い世代向けのエンターティメントとして主役はどんどん若い世代に交代していくのは仕方ないし、世代交代していくべきだと思うにしても、ベテランが脇にいるといないでは大違い。ハガレンでも、内海賢二さんとか柴田秀勝さんがいることで、奥行きが出て、ドラマがしまります。(お二人は曽我部さんより一回り上ですが)
 ベテランと言われる皆様には、いつまでもお元気でご活躍いただきたいなあ、と、願ってます。


 曽我部さんのご冥福を心よりお祈りします。

 久々にコージーミステリを読みました。

『お茶と探偵1 ダージリンは死を招く』(ローラ・チャイルズ、東野さやか訳/ランダムハウス講談社文庫)。
 最近のコージーミステリには、大体、「○○探偵」というキャッチがついています。この本の場合は「紅茶」です。

 主人公のセオドシアは36歳、独身。かつては、広告業界でバリバリのキャリア・ウーマンとして働いていましたが、現在は、故郷のチャールストンでティー・ショップを営んでいます。もちろん、かつてのキャリアを生かして、インターネット店舗を計画したりと、なかなかのやり手です。
 セオドシアを助けるのは、アメリカ屈指の茶葉鑑定人のドレイトン、うっとりするようなスイーツを作るパテシェのヘイリー。精神的な助けとしては、ダルメシアンとラブラドールのミックス犬のアール・グレイ。(老人ホームや病院を訪問する公認セラピー犬で、セオドシアが心から誇りに思ってるあたりが犬バカとしてはたまりません)

 コージーだからして、目のさめるような推理バトルとか、驚天動地の大どんてん返しなどはないのですが、1冊通して楽しく読めました。
 紅茶探偵として紅茶の薀蓄は書かれていますが、さらっとしています。
 たぶん、イギリスで紅茶探偵が書かれたら、もっとコッテリと、少し嫌味な感じがするのではないでしょうか。
 でも、この本の舞台はアメリカ、チャールストン。
 日本での「日本茶」、イギリスでの「紅茶」は、アメリカでは「コーヒー」です。もちろん、日常的に紅茶を飲む人はいるでしょうが、感覚としては、日本人の紅茶に対する感覚と少し似ているのではないでしょうか。(一般庶民のメインストリームではないということで)
 舞台のチャールストンも、いい感じ。
 今もイギリス植民地の雰囲気を残し、歴史ある建物も残っています。セオドシアのティーショップもその一画にあって、町並みに溶け込んでいい雰囲気なんだろうな、と、思いながら読んでました。
 それでも、歴史ある地区や建物とはいえ、さほど重い感じがしません。これもアメリカならではの軽やかさなのでしょう。

 コージーは、リラックスしたい時に読むもの。
 そんな意味では、とてもよく出来たコージーミステリです。


 まあ、国芳が好きで、若冲が嫌いなワケがないという(笑)。


 金曜日の夜が割と(他と比較した場合)混雑してないと国立博物館のサイトで見たので行ってみました。でも、お勤めの人やデートなお2人で大層な混雑具合でしたよ。(あと1時間で閉まるというところで行ったのに、チケット販売の列からして混んでいた)


 若冲は、ポスターにもなってた「紫陽花双鶏図」は絶対見ようと思っていたのですが、実際に見てみたら、「鶴図屏風」がすごくてびっくりしました。略筆という単純な線なのに、間違いなく鶴だし、間違いなく生きている。
 天才の仕事って、こういうことかー、と、ちょっとがっくりしました。
 若冲は、対象物を見て見て見て見て書いた人なんだと思います。ものすごく的確に対象を見てるから、頭の中で線を記号化しても「生きて」いるんでしょうね。


 あとは「鯉魚図」、そして「鷲図」。
 案外、カラフルなものより、こういったストイックなパワフルなものに感動するんだなあ、と、自分のこともよくわかった日でした(笑)。若冲の魅力って、たぶん一発でわかる絵に対する気合だと思うんですよ。
 だから、
「サインがなくても若冲と実感しました」
 と、プライスさんが言えば若冲なのだ思います。
 若冲でなくても、同様に価値がある絵画ってことでいいじゃない、って。


 大学時代の先生が、「コレクションというのは、自分だけにとって価値があるもの」と、おっしゃっていました。
 その先生は各地の土鈴を集めていらして、NHKが取材に来たこともあるほどなのですが、金銭的価値自体はほとんどないそうです。場所ふさぎで家族には邪魔がられているとか。
 でも、自分だけに価値があるのがコレクションなら、正しくその本髄を真っ当していらっしゃる。

 そんなわけで、自分が好きなものだけ買う、というプライスさんの姿勢は大好きです。


 最初は、「今日は若冲だけ見て他のはまた見に来ればいいや」、と、思っていたら、若冲コレクションの部屋以外は割と空いていたので、結構見れました。
 特に特別展示(光と絵画の表情)がよかったなあ。ガラスケースに入っていない、フラットでない光で屏風を拝見できるチャンスはあまりなく、ドラマチックで楽しかったです。
 
 大混雑のミュージアムショップで人をかきわけ、図録を買って、若冲展おしまい。


プライスコレクション 「若冲と江戸絵画」展
2006年7月4日(火)~8月27日(日)
東京国立博物館 平成館 (上野公園)
オフィシャルサイト: http://www.jakuchu.jp/
オフィシャルブログ: http://d.hatena.ne.jp/jakuchu/


 最近、私は角川に貢ぎすぎな気がしてきました。
 ……や、まだ、スクエニに比べれば大したことないか。
 そんなわけで『BLOOD+ A (1) 』(スエカネクミコ/角川コミックス・エース)、読んでみました。

 1916年、ロシアの皇都・ペテログラードに二人の若者が現れた。彼らの目的は宮廷に潜む吸血鬼、翼手の殲滅。TVアニメ『BLOOD+』正統なる外伝「ロシア・ロマノフ編」登場!


 BLOOD+にハマらなくても、一時期ロマノフ家のあのあたりは、ソラで家系図が書けるほど調べたので(今は書けませんともさ)、買っていたような気がします。
 絵になんとなく見覚えがあると思ったら、「逆転裁判」のキャラデザの方だったのですね。
 TVのハジや小夜よりも明るいキャラクターですが、ドラマ自体はドロドロなので釣り合いが取れてる感じ。


 ロマノフ家といえば、少し詳しい方なら、すぐ皇女アナスタシア、そして、ラスプーチンを思い出されるでしょう。もちろん、この本にも堂々と登場します。しかも、かなり重要な役で。
 正直、こんな有名人をああ料理するのかー、と、びっくりしました。
 これも、DNA鑑定の結果さえ二転三転する、「不合理な死」という現実があるからでしょうか。そうした現実をうまーく使って大風呂敷を広げてる作品は大好きです。
 この巻は物語の導入部なので、2巻以降に期待。

 時間がかかりましたが、読み終わりました。『ザ・プラザ――セレブを魅了する名門ホテルの内幕』(ウォード・モアハウス3、 赤根洋子訳/ヴィレッジブックス)。

1907年の創業以来、ニューヨークの「ザ・プラザ」ほど多くの名士やスターに愛され、華やかな話題をふりまいてきたホテルは他にないだろう。たとえばケネディ元大統領は常宿組の一人。宿泊だけにあきたらず部屋を借りて住みつく文豪もいた。また、米国公演の際にビートルズが滞在してファンが殺到する一幕も。俳優のM・ダグラスが超豪華な結婚披露パーティを催したり、『ティファニーで朝食を』をはじめ映画のロケ地になったことも―。世界の富と名声で飾られた伝説の数々を関係者の証言で綴った話題作。


 NYにはランドマークといわれるホテルがいくつかありますが、プラザもそのひとつ。
 実際、プラザはホテル以上の存在であって、私もあのホテルに足を踏み入れる根性が今ひとつありません。そういえば、歴史で習った「プラザ合意」と、あのプラザが同じプラザとは、かなり後まで気がつきませんでした。そんな単語からして、歴史の生き証人、てな香りがします。


 さて、ホテルとしてのプラザ。
 数々の有名人から愛され、数々の逸話を持ち、また今日も歴史が作られているはずの場所。
 この本は、そんな創生依頼のエピソードを関係者にインタビューし、綴ったノンフィクションになります。
 プラザはオーナーも何度か変わっています。あのトランプ・タワーで有名なドナルド・トランプ(逆?)も、一時、プラザの持ち主でした。ホテルの買収や売却などには、必ず何かのドラマがあります。この本も、そうしたゴシップ的なものにしようと思えばいくらでも出来たはずなのに、そうしたことはひとつもしていません。
 著者は、幼い頃、両親とプラザに住んでいました。彼の記憶に残るプラザは、特別な場所です。
 たぶん、そんな思いも手伝って、プラザを語る口調は思い出と憧れと少しのシニカルさだけを含み、下世話さや野次馬根性はないのだと思います。


 読み終わる前も、読み終わった後も、プラザは威容を保つNYの伝説の場所でした。
 私が泊まったことのあるホテルの中にはランドマークと言われるホテルも5つ星ホテルもあるけれど、この、プラザに対する特別感は何なのでしょうね。
 たぶん、それがプラザの持ってる魔法なのだと思います。

 『犬ガンダム・地上編』の感想を書いてて、そういえば『機動戦士ガンダムさん さいしょの巻』(大和田 秀樹/角川コミックス・エース )のことは書いてなかったなあ、と、気がつきました。だいぶ前に読んだけど、まあ、書いとけ。


 情けなさに満ち満ちていて素敵です。
 この本のシャアはヘタレだし、腹巻してるし、アムロは思春期で鼻血吹いてるし。
 でも、なんとなく、出来のいい妹に迷惑かけておいて
「なんくるないさー」
っていってる、アズナブル兄さんが好き。
 あと、アッガイもかわいい。そんなところにかわいさを求められてはいないはずなのに(笑)、どの登場人物よりもカワイイです。


 これがガンダムAに載ってる今の時代ってすごいねえ。

 ダウンな気持ちだったので、いっそバカバカしいものを、と、思って買ってみました。『犬ガンダム・地上編』(唐沢なをき/角川コミックス・エース )。

『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』は買っていないくせに『トニーたけざきのガンダム漫画』も『機動戦士ガンダムさん』も買っているというコアな読者層のわたくしです。(笑いに貪欲)


 題名通り、すべての登場人物が犬です。ガンダムまで犬です。
 すんげえバカバカしいです。(←誉めている)
 唐沢なをきという人は、もしかしてアンチ富野なのかしら、と思うほど、ガンダムというドラマの特色である苦悩とか頻繁に出てくる人の死とかを、逆手に取ってギャグにしてしまっています。


 まあ、うんちくや評論はいらないかな。
「そうそう、犬ってホンっっっとにバカだよねー」
と、笑いながら、それでも犬好きな人(あ、ファースト・ガンダム好きも!)は楽しめると思います。

 鈴置さんの訃報関連で検索してたら戸谷公次さんの訃報まで知ることになってしまい、ちょっとダブルショックを受けてしまいました。
 最近、ちょうどハガレンのDVDリピートしまくりだったので、呆然という感じ。
 戸谷さんもファースト・ガンダムに出られてたんですよね。(←調べた)
 享年で、まだ57歳。本当にまだまだお若いのになあ。


 御冥福をお祈りします。

 鈴置洋孝さんが亡くなられたのを本日知りました。
 まだ、56歳だったそうで……お若いのになあ。

 井上瑤さんが亡くなられた時も、あまりに早い御逝去だったのでびっくりしたのですが(その前に塩沢兼人さんも亡くなられてますけど)、ファースト・ガンダムの声優さんが若くして次々亡くなられるのは寂しいというかなんというか。
 たぶん、人によって、ブライトさんだったり、紫龍だったり、斎藤一だったりするのでしょうが、私にとっては鈴置さんは鈴置さんで、この方の声好きだったので、本当に惜しい方を亡くしたなあ、と思います。


 御冥福をお祈りします。