これはふつうの定規とは少し違う。
新聞社の整理部(ようはレイアウト組んだりするとこ)で使われる倍尺というやつで、わたくしの周りでは「サシ」と呼ばれていた。

 

※安直なもので、定規といえばキリンが登場する


くわしい使い方はそこらへんに落ちていると思うが、赤い点が示しているのが段数だ。
当時でも、もう活字が大きくなっていたのでこいつは広告段数を見るのにしか役立たなくなっていた。

さて、このサシなんだけど、わたくしと仲の良かった上司が会社を辞める時にもらったものだ。博識で、おしゃれで人当たりも良い人だったのだが、どうにも立ち回りがうまくなかったか、左遷人事が続き結局会社を去ることになった。最後の内示が出たのときにゴミ箱蹴り飛ばしてたの良く覚えている。なぜかというと、それが跳ね返ってわたくしに当たってしまい、寿司をおごってもらったからなんだけど。

わたくしも会社を辞めたもので、もう必要もないものなんだが、裏に上司の名前が書かれているのでなんとなく捨てられないでいる。
あと、竹製なので背中をかくのにちょうど良い。

 

上司はその後、天下りみたいな感じで駅の看板か何かを管理する会社に行き、そのまま定年を迎えた。今はたぶん趣味の釣りだかをして過ごしていると思う。会社員の人生なんて、まっとうに終えたらそういうもんだよなあ。