今回は読書感想文です。軽くネタバレありです。
ネットで途中まで読んだ後、どうしても続きを読みたくて購入。
第1話で張ってある伏線から、ネットで読んだ時この家族の兄弟構成がうちと同じだろうと予想。
けれど、ネットで読める範囲では下の子の存在がまったくないことが気になり、続きを読みたくなりました(実際、冒頭の登場人物紹介にも両親と息子しか書かれていないため、下の子の存在はこの本のキーだと思われます)。
上が男の子だと、母親って上を構いがちになる気がします。
実母も姉の私よりも弟の方が可愛いと実際言ってますし。
私も上の子ばかり構ってしまったらどうしようと不安に思っていたので、この本を読んでみることにしました。
冒頭はいきなり枯れた鉢の写真から始まります。
主人公の息子こうたはどうやら未熟児として産まれたみたいです。
このことに主人公は罪悪感を持っていて、そのため息子に対してかなり過干渉になっている様子。
ブログを参考にしながら、息子の最善を求める様子は子供を持っている親なら一度はやる行動だと思います。
良かれと思い空手を習わせ、中学受験に挑戦しようとします。
しかし、最善を求めるあまり、主人公の行動は徐々に常軌を脱していきます。
普通の幸せを息子が手にして欲しいと願うあまり、息子の行動を制限し、空手をやめさせ、息子の心を折っていきます。
主人公の心情を描いたコマはとても明るいのに、他の人物目線のコマでは、主人公は影を背負っていたり、口元だけ描かれていたり、とても怖い。
中学受験失敗後は、主人公は完全に息子を支配しています。
その言動は完全に毒親のそれ。
その後、息子がもうむりですと伝え、夫から毒親と言われたのを機に口では毒親やめるよ、好きにしていいよと伝えます。
こんなこと言われた子どもの気持ちよ
今まで散々コントロールしておいて、今更好きにしていいと言われ、息子は完全に心を閉ざしてしまいます。
その後、キーパーソンの下の子の話が出てくるのですが…。
興味がある方は読んでみてください。
多分、主人公は一生子どもたちのことを理解せずに終わりそうです。
手元からいなくなるであろう子どもたちに、私はこんなに頑張ったのに!恩知らず!とか言いそう。
確かに頑張っていた、けどスマホの世界しか見ず、周りの意見を頑なに聞かなかったから、頑張る方向を間違えたのでしょう。
現代において、こういうことはよく起こっている気がします。
主人公が頼ったのは、誰が書いたのかわからないブログや口コミ。
はたしてそこに書いてあることは事実なのでしょうか。
とても考えさせられる良作でした。