水行の用(はたらき)


北方に陰極まって

寒を生じ

寒は水を生じる

 

 

水行の

水を

とし、とし、とする。


(おもり)」

厳凝(げんぎょう)の令を施す

穀物の権を主る。潤下が盛徳とす。

 

 

 

水行の作用

冷清

陰気が極盛して

冷気を生じ、物を冷静にします。


低下

水は冷えて

常に低下する働きがあります。


凝集

生気を凝集して堅実にし

発動の原動力にさせる機能があります。

※凝集とは散らばったり溶けたりしているものが、ひとつに集まり固まること。


湿潤

万物を湿潤にして燥凅を癒し活気を与える。

※燥凅とは、燥かわき凅こおること。


任養

陰極まって内に微陽を生じ

万物の生気となって

生命力を任養する機能があります。

 

 

水行功用

万物に生気を与え


を納め


を潤して


を生じさせる


金を洗って秀気を発し


理性を豊かにさせます。

 

 

水行の性情 七分類

強水

日主が壬、癸で

月令(旺令)を得て

水星が旺じるのを強水とする。


洩秀の木 

分力の火 

堤防の土を喜ぶ。


火星の干支があって

水の力が分散されることを喜ぶ。

財運(火)の良好とみます。


土星(官)の干支があって

流れる水に堤防となり

自己の限界を守って順調な人生を過ごす。


木星の干支があると

水星の示す聡明さ社会に用いられ

栄達するものである。


金星の干支があると

水気を生じて(金生水)

水加重となり大いに嫌う。

 

弱水

日主が壬、癸で 

失令(休囚死)して生助ないもの。


月令を得ないとか

水星の干支が稀少である場合を

弱水とする。


金星の干支があって

水星を扶けるのを喜び

他の助力を得て良好を招く命運とみます。


火星の干支があると

力が分散して伸展をみにくい。


土星の干支があって

剋制を受けると

身体が虚弱だったり

自分の考えが社会に

用いられにくくなります。


木星の干支があって

洩気となり

弱水の意が更に弱まり

発展の機会を得にくくなります。

 

滞水(たいすい)濁水

日主が壬、癸で

金星の干支が多いと

滞水の生まれとして

滞り易い命運となります。


金星をみると

水は濁りため濁水とも呼びます。


火星の干支があれば

金を溶かし良好を得ます。


水星は比助で水を喜びます。


金星の再来や盗木の木を嫌います。


土星の干支があって

金星を扶けるのを嫌います。

 


縮水(しゅくすい)

日主が壬、癸で

木星の干支が多いと

水は縮みます。縮水とします。


火星の干支があって

木星を洩気するとか


金星の干支があって

木星を剋制すること


が必要で

それらがあれば

安泰を期することができる。


水星の干支があって

木星を生じ扶ければ

良好の生まれといえない。


土星は剋洩交加となり嫌う

同気の水は大して比助になりません。

 

沸水(ふっすい)

日主が壬、癸で

火星の干支が多いと

沸騰し蒸発、沸水とします。


金星の干支があって

水星を生じるのが必要で

このような命式ならば

社会に有用な人材として発展をみる。


火星の干支が流年で廻ると

良好を得ることができません。


盗気生火の「木」

再来の「火」 

水を蒸発させる「燥土」

を嫌います。

 

澱水(よすい)

日主が壬、癸で

土星の干支が多いと

澱む(よどむ)ので澱水とします。


水星は、

比助となり喜びとなります。


木星の干支があって

土を掘削し水を衛るを喜びます。


金星の干支があって

土が洩気するのも喜びます。


火星の干支があって

土を扶けると良好を得ません。


再来の土は嫌います。

 

 

水行の季節観

春は休令

春水は気が散漫となり

時には氾濫の危惧もあります。

 

寅月

火があれば凍水は

解け暖まり育てるが

さらに水源の金気があると

水尽きぬ象となる。

 

卯月

雪解けの春水にて

氾濫の象あり。

先に横流を防ぐ土堤が必要とし

次に水源の金を喜びます。

 

辰月

庫地の土を掘り

拓く木を先ず必要とし

水源の金を見れば

有用の水となります。

 

夏は囚令

夏水は乾涸のとき

帰源の金と

比助の水が必要となります。

 

巳月

水の絶地にして涸渇のとき

先ず消炎の水、

次に水源の金が必要です。

 

午月

火焔旺盛のとき

巳月同様、

消炎の水、水源の金が必要です。

 

未月

火気が退くも「燥土」が司権のとき

先ず、発源の金、

次に疏土(水を通す)の木が必要です。

 

秋は相令

母旺じ、子相のとき

表裏ともに輝く。


「三秋の水」

木を多見すれば、子が栄え

火を多見すれば、財が豊か

干土に金を見れば、清澄透底の水となる。

金を多見すれば、水濁り

木を多見すれば、氾濫横流の患あり

 

申月

源遠長流の水となる

整流のための亢土(戊)あれば

台閣(大臣)の命

 

※亢 抗の本字で ふせぐ こばむ さからう

※源遠長流 

木の根が深ければその枝は栄え

水源が遠ければ川の流れは長い

と言われるように、

法華経以外の諸教は根が浅く流れは近く、

反対に法華経は根が深くその源は遠い。

信心強盛な方がいるからこそ

法華経は末法、悪世までも尽きることなく栄え

流布していくのである。

[源遠長流御書]弘安元年(1278年)

 

酉月

金白水清のとき

流通を促す疏土の木を喜び

水流を塞ぐ土を忌む。

※金白水清:「岩から染み出る清水」で

大変澄んだ水、つまり濁りがない。

三秋の水は美麗とされ使われる。

 

戌月

水は天門に坐し進気にあっても

亢土が水を阻害する惧れがあるため

土を掘り拓く木が必要とします。

 

冬は旺令

当権のときであっても

寒威が日に増し

氷結の憂いがあります。

 

亥月

水旺のとき。氾濫を防ぐ硬土を先ずとる。

亥の中の甲木が動いて堤防を破る惧れがあり

木を制する金を見るのを喜びます。

 

子月

寒気一段と厳しさ増す。

凍解の火が何よりも必要

次に氾濫を防ぐ硬土を喜びます。

 

丑月

天地ともに凍結のとき。

凍解の火を必要とし

さらに木があるを喜ぶ。

 

 

五行の六象を学んできました

今回は 最後の「水行」でした。

 

段々と漢字に慣れてきたというか

どんな意味なのかを調べながら

味わってみました(笑)

 

三秋の水 って

ことばが綺麗ですね~!

 

秋は相令

母旺じ、子相のとき

表裏ともに輝く

 

と紹介しましたが

秋 は 「相」

母 は 「旺」

子 は 「相」

 

この各季節にあるつの漢字

 

「相」や「旺」とはなんでしょう?

 

 

★旺相休囚死の概意★

 

とは次代の担い手 意気盛んな状態

冬木 春火 夏土 土用金 秋水

 

とは威力を最大に発揮している状態

春木 夏火 土用土 秋金 冬水

 

とは権威を譲って休養している状態

夏木 土用火 秋土 冬金 春水    

 

とは時の権威に逆らって囚われている状態

土用木 秋火 冬土 春金 夏水

 

とは時の権威に討たれて死滅する状態

秋木 冬火 春土 夏金 土用水

 

となります。

十二運と似たバイオリズムですね

 

相があって

旺と死 の間に

休と囚 がある。

 

それがそれぞれの五行に

四季の顔として廻っています。

 

五行×四季に旺相休囚死がある。

 

よくみると

四季+土用ですね。

 

土は中央にあって

四支に伸びると約束されている。

 

故に季末に十八日間、

土が指令するとされ

「土用」と名付けられている。

 

土用も季節の変わり目として

季節のならびになり 五季とすると

 

つの季節に

つの行(五気)が

つの令(旺相休囚死)となって

廻っています。

 

ぴったりあいますね。

 

 

まとめ

 

五行とは

五気が機能を発揮する状態を

形容する辞句です。

 

四季とは

太陽の照射と 

月の潮汐による水の潤いに

太陽の運行から

四つの時から発送された概念である。

 

万物の盛衰消長

四つの時、四季に支配されている。

 

学びに感謝して。

 

★学んだ著書★

韋氏四柱推命学講義

韋先生の表現は

とてもわかりやすいことばを使われて

スッと入ってきます。

 

 

加藤普品先生の言葉は

読んでいてとても惹かれます。

意味合いが深く 的確です。

 

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