こんにちは。
前回の続きです。
木次駅が近づくと、沿線にたくさんの人が待っていました。
ホームでもたくさんの人が奥出雲おろち号の到着を待っていました。
木次駅は木次線内の主要駅ということもあり、奥出雲おろち号への思い入れの強い方が多いのでしょうか。
たくさんの人に見送られ、木次駅を発車します。
学校の運動場から看板をもった人たちがお見送りです。
日登駅というレトロな小さな駅ですが、見送りの人がたくさんいました。
内陸に入っていくにつれ、自然が増えていきます。
川の水も透き通っていました。
天気がよく、ローカルな景色も綺麗です。
奥出雲おろち号は豆電球が車内のライトとなっています。
トンネルに入ると、
電球の明かりで洞窟の中を進んでいるような雰囲気を感じました。
また、天井にはヤマタノオロチのイルミネーションがあり、トンネルにはいると浮かび上がります。
道中、奥出雲おろち号への感謝を表したボードを出している人があちこちにいました。
筆者はラストランにして初めて乗車したのですが、ここまで愛されている列車はそうそうないと思いました。
車掌が検札にきました。
奥出雲おろち号の乗車証明書をもらいました。
車掌の制服がボルドー色で特徴的なのですが、これはかつて奥出雲おろち号で来ていた色あいのものを、引退間近ということで復刻させたものだそうです。
そして地元の菓子店の方がクリーム大福の販売にきました。
せっかくなので購入しました。3個400円です。
凍っていて、プリン味の雪見だいふくのような感じで美味しかったです。
列車は奥出雲町に入ります。
出雲三成駅に到着です。
ホームの紅葉がきれいですね。
綺麗な駅舎です。
中には仁多特産市という直売所が入っているそうです。
看板にはトロッコ出雲三成駅と書いてあるのですが、奥出雲おろち号が運行終了した現在はどうなっているのでしょうか。
出雲三成駅をでてすぐ、奥出雲サイクリングターミナルという施設がありました。
宿泊や食事、入浴ができるそうです。
出雲三成駅で駅弁の搬入があり、予約をした方に販売されます。
事前に予約が必須で、20個以上販売されていました。予約していない方は販売を断られていました。
仁多牛べんとうという牛丼のようなものです。
予約してあったので購入して食べました。
1000円とそれほど高くありませんが、米も牛肉も地元の仁多(奥出雲)産のものを使っていて、特に肉の味がしっかりしていてとても美味しかったです。駅弁の中でも5本の指に入るくらいの美味でした。
筆者はいろんなものが中途半端に入ってるより、こういうシンプルながらこだわっているものの方が好みだったりします。
ようこそかめだけへと書いた赤いのぼりがたくさんでてきました。
列車は亀嵩駅に到着します。松本清張の小説、砂の器にも登場した駅です。
到着してすぐ、亀嵩そばの手渡しでの販売が始まりました。亀嵩そばは駅舎内にある蕎麦屋の扇屋が、奥出雲おろち号の乗客に販売しています。
手打ちそばで大変おいしいそうで、仁多牛べんとうと迷いました。
短い停車時間で販売して、列車は亀嵩駅を発車します。
また機会があれば食べてみたいです。
続いて、出雲横田駅に停車します。
この駅では笹ずしというお寿司の販売がありました。
これは予約なしで購入できるそうで、購入している人がいました。
手渡しで販売というのも風情があって良いですね。
また、車内販売で地元の菓子等の販売がありました。
列車は多くの方の見送りを受けて木次線を進んでいきます。
続いて、八川駅に到着します。
この駅でも八川そばというそばの販売がありました。
こういう駅弁の販売の仕方は全国でもそうそうないと思うのですが、奥出雲おろち号では至る所で駅弁の手渡し販売があって驚きました。
続いて、出雲坂根駅に到着します。
この駅で進行方向がかわり、三段式スイッチバックが始まります。
少し停車時間があるので外に出ます。
こちらが駅舎です。木造で赤い石州瓦の駅舎でした。
駅から道路を挟んで少し降りたところに、延命水という湧水が出ており、汲んできました。
駅構内でも湧水は汲めるようです。
駅横の倉庫で販売されている焼鳥が有名で、購入したかったのですが、予約していないと買えないそうでした。
列車は進行方向を変え、ここからスイッチバックで上がっていきます。
先ほど出雲坂根駅に向けて走ってきた線路の横を通り、上がっていきます。
このようにさらにスイッチバックがあり、
進行方向が変わるので運転士も移動します。
わかりにくいのですが、出雲三成駅がある下の平地から上がってきています。
スイッチバックを過ぎ、トンネルを抜けると、
螺旋状の道路が見えました。
先ほどのスイッチバックのように、勾配を上がっていくための道路でヤマタノオロチのように渦巻いていることからおろちループと呼ばれています。
おろちループの先には道の駅があり、
わかりにくいのですが、ものすごい人が奥出雲おろち号を見ようと見ていました。
ざっと300人くらいはいたかと思います。
進んでいくと、大きい赤い橋が見えます。
三井野大橋というそうで、なかなかすごいところにかかっています。
もう少し進むと、分水嶺の看板がありました。
広島県川に流れる江の川水系と、島根県側に流れる斐伊川水系に別れて流れていきます。
分水嶺のあたりに三井野原駅があります。
JR西日本で最も標高の高い駅で、727mあります。
隣の駅が先ほどの出雲坂根駅ですが、標高が564mなので、約160mをスイッチバック等で上がってきたことになります。
標高も高いことから、積雪もうっすら見られました。
駅近くには三井野原スキー場があるそうですが、1日3本しか列車がないので、列車でスキーに来る人はほとんどいないでしょう。
列車は広島県に入り、分水嶺も過ぎたことから下っていきます。
こんな山奥にも見送りや撮影の人がいました。
江の川水系の西城川です。
先ほどの分水嶺から水は江の川として瀬戸内海へと流れていくのですね。
芸備線の線路が横に見えると、
備後落合 12:36着
備後落合には出雲市を出てから4時間かけ到着しました。
備後落合駅に筆者が来るのは初めてです。
この駅がかつてはターミナル駅だったとはあまり想像がつきません。
横断幕とマスコットが奥出雲おろち号を迎えます。
備後落合駅では地元の方からJR西日本の運転士、車掌に花束の贈呈がありました。
この後、折り返し、真のラストランである木次行きの上り列車として奥出雲おろち号は発車していきました。
次の列車まで時間があるので。駅から15分ほど歩き、ドライブインおちあいというところにやってきました。
食堂と売店を兼ねて営業しています。
奥出雲おろち号の運行もあってか店内は8割ほど埋まっていました。
こちらがメニュー表です。
山奥でありながら、左に下に書いてあるうな丼(愛知県産)が1000円と異様に安いのが気になりましたが、
筆者は名物のおでんうどん(750円、秋冬春のみ)をいただきました。
おでんの具材がいくつかのっていて、内容はその時々によって異なるようです。
味はまずまずですが、このあたりに飲食店は他にないので重宝されると思います。