走り巫女記

走り巫女記

独身アラサーが好き勝手書いてる。ビギナーライダー。生まれ変わったらみちょぱになる。



週末、伊藤潤二さんの個展「誘惑」を観てきた。





グロ、ホラー、美少女、だいすき!



という わたしみたいな人は当然ご存じかと思いますけど、
伊藤潤二さんは世界でも有名なホラー漫画家です。

言わずと知れた王道ホラー漫画家といえば楳図かずおさんだけど、伊藤さんも楳図さんに憧れてこの道に入ったそう。


どちらの漫画にも共通するのが「高い画力」と「ユーモラスな世界観」だ。
気持ち悪くて目を背けたくなるけど、見ない選択はもったいないくらい巧妙な絵、ストーリーもきちんとおもしろい。


伊藤さんの作品の特徴は"日常から繰り出されるねっとりした恐怖"があると思う。

肌の質感や毛の一本一本まで精緻だから、余計に実在感があり、実際に皮膚を蝕んでくるかのような気持ち悪さが伝わってくるの。
なんならページを繰るたびに妙な音とか匂いとかしてくる(気がする)。


とりわけ女性描写の美しさは息をのむ。

どこかアンニュイで影のある妖艶さを放つ女性が、だいたいの作品にひとりは出てくるんたけど、
代表作『富江』のヒロインは最たるもの。



蠱惑的な目つきであらゆる男を沼落ちさせる謎の少女。

しかもナルシストで傲慢なこの性格が、また美人さを増長させているのよ(洗脳済)


しかしこの富江ちゃん、実は
"人間ではない"ことが自身最大のコンプレックスなんです・・・



わたしも富江に虐げられたい。



さて、作品展の感想なんですけど、想像以上に満足度の高いものでした。


会場は芦花公園駅から徒歩5分、世田谷文学館にて。


入口の自動ドアにて富江が出迎えてくれる。





事前にチケットを電子購入していたのでスムーズに入れたんだけど、
時間で人数制限されているわりにかなりの来場者がいた。


序章を含めて全5章構成の展示形式になっている。


導線も良くて鑑賞しやすい空間。


動画はNGで写真はOKだったんだけど、集中しすぎてほとんど撮ってないです。。。


原画はもちろん、挿絵や下絵、デジタル処理した完成原稿をそれそれ比べられるような展示もおもしろかった。
作品制作の過程も見られるのは、こういった個展ならではだよね。

他には伊藤さんの蔵書や映画のDVD、伊藤さんが海外で出版した単行本も置いてあった。

 
膨大な資料数だったけど、驚異的な画力に吸い込まれるように一点一点しっかりみました。

なんてったって細かーい部分まで丁寧に描き込まれているので、
みんな食い入るように凝視してておかしかったなあ。(わたしもだけど)

いつでもデジタル書籍で漫画が読める時代だけど、間近で原画の質感を感じるのってやっぱいいよね~


1時間くらい鑑賞したかな。


最後に顔写真を撮ってもらうと『うずまき』になるプリ機(?!)に入りました。


グッズもたくさん売ってた。

美少女大好きなわたしは富江クロニクルと美女セレクションの2枚セットを購入。





(これまじでいつ使うんだよ)

って思いながら未開封のまま会社のデスクに飾っています。




大満足でした。

9月1日まで開催しているので、興味のある方はぜひ。





グロテスクなものは、リアルであればあるほど美しいと多くの芸術家はいいますけど、
実際に人間の内臓を、なんの猶予もなく生で見てしまったら気持ち悪くて仕方ないだろう。


「グロを超越した耽美」だのと、自分に酔っていられるのは
あくまでも媒体(紙やスクリーン)を隔てているうえに、
自発的に今から見るぞ、という構えというか心の準備があるから平気なのである。


そういうことをひっくるめて、
冒頭でも申した通り、わたしはホラー作品が好きだ。


ホラーにはオカルト系やらパニック系やらジャンルがあるけど、
なかでもスプラッタ系のボディホラー(肉体の破壊や変容によって感じる恐怖)が好み。

こうも定期的に酷な描写を見たい、非日常的に刺激が欲しい、という心理の根源は一体なんなのか、昔から考えている。

いまのところわたしのなかで一番腑に落ちているのは、"自分が生きているという実感が欲しい"のかもしれないということ。

悲惨で救いようの無い世界をあえて見ることで、
相対的に自分がどんなに恵まれているのかを無意識に認めて安心しているのかもしれない。


退屈って残酷ですね。

なんかこの話、前にもしましたっけ。


ブログ何年もやってると、書いたこと忘れる上に、新鮮な思想ネタもなくなってきて老いを感じる。
そもそもバイクブログなのに先月一度もバイクカバー外してないんですけど大丈夫そ?




漫画に限らずホラー映画やホラー小説も好きです。


これぞというトラウマ級のおすすめ作品があればぜひ教えてください!