エジプト神話に登場するバステト神は、豊穣と守護の力を持つ「猫の女神」だ。
中世ヨーロッパで黒猫は魔女の仲間であり、イギリスでは現在も、黒猫は幸運のシンボルとされる。
スコットランドでも、黒猫が現れた家には幸運が訪れる、という信仰が根付いている。
かくいう日本でも、家内安全や商売繁盛など、幸運を招く縁起物として愛されてきたのは「招き猫」。
猫には古来から神聖なエネルギーが宿っているとされ、だからこそ古くから、猫には様々な霊の姿が見えているのではないか、という説があった。
例えば、猫が天井や壁など「何もない場所」をジッと見つめて動かなくなり、おもむろに「ニヤ~!!」と威嚇する。
あるいは誰もいないのに、突如として空中へ向けて、猫パンチを繰り出す。
これらは「猫が幽霊を見ているから」だというのである。
動物学者によれば、猫の視力はおおよそ0.1~0.2程度。人間でいえば相当きつい近視だが、視力が低い一方、動くものを見極める動体視力と、暗い場所でものを見る暗所視力が非常に優れている。
人間には見えないような小さな虫も、簡単にキャッチできるのだ。
また、猫の聴覚は犬のそれより数段、優れている。耳を180度近く動かすことができるので、左右別々の音を聞くことが可能なのだとか。
さらにはネズミなど、他の小動物が発する超音波を聞き取っている、との研究データもある。
つまり、猫は耳をすまして人間が聞き取れない音を聞き、突出した動体視力と暗所視力によって、目に見えないような何か、霊を見ている可能性は否定できないのだ。
古来から厳しい自然環境を生き抜いてきた猫が、イエネコとなった現在も、その鋭い感覚をDNAに刻み込んでいることは想像に難くない。
複数の研究によって、猫には相当に優れた五感が備わっていることが証明されているが、実は猫には五感の他にも第六感、つまり直感や予知能力、霊感といった、科学的に証明されていない感覚が備わっているとされる。
猫の様子が突然変化するのは、この第六感が影響しているのでないか、つまり猫はこの第六感により、霊の存在や地震の前兆を感じ取っているのだと…。
そう考えて猫を観察すると、興味深いやら恐ろしいやら…。