BLOGOSでフランス語について書いた記事を見つけたので、思ったことを一言。

 私は外務省でフランス語をやらされたので、そこそこ出来ます。よく「大学とかでもやったのですか?」と聞かれますけど、やり始めたのは外務省に入ってからですので21歳からです。それまで全く知識もなく、ほぼゼロからでした。

 フランス語は、日本人にとって入り口のハードルがとても高いです。母音の数が多い、音の出しにくい子音がある、発音が難しい(日本語話者の口の構造は多分フランス語向きではありません)、表記通り読んではいけない、といったことがあります。最初、「happy」に当たる「heureux」という単語が全然発音出来ませんでした。最初の"h"は発音しない、最初の"eu"と二回目の"eu"は違う母音で発音、しかも、最後の"x"も発音しない、ということで、日本語表記することがほぼ不可能な音でして、「いつになったら、この単語を聞いてhappyを連想出来るようになるのだろうか?」と暗澹たる気持ちになったものです。

 ただ、フランス語は例外が少ない言語でして、極めて法則性が高いです。ここが英語との違いです。他の欧州言語を学ぶと、英語はとても例外が多い言語だという事に気付きます。そういう意味で、一定のハードルを越えるととても楽になります。大半の方は、最初のハードルの高さで断念してしまいます。

 更には、英語以外のメディアに触れるというのは、とても世の中の見方が広がります。私がこのブログに書くものの中で、日本のメディアとちょっと視点が異なるところがあります。それは私が独創的なのではなく、単に仏語圏メディアに触れているからだけです。日本のメディアはどうしても英語圏からの視点に影響されがちなので、そこを補正するために役立っています。

 そこまで言った上で、更に述べると、冒頭で引用したエントリーに書いてあることは正しいです。今後、仏語話者は増えていくでしょう。特にアフリカでの爆発的な伸びは確実です。

 ただ、私はあまり強くは勧めません。私の肌感覚では、英語に続くのはスペイン語かなという気がします。国際会議に出ていてプレゼンスが高いのは(おしゃべりな)スペイン語系です。人口的にも今後、仏語圏同様伸びていくでしょう。元々私は大学で義務的に第二外国語を学ぶことにとても否定的な人間ですが(ココ)、それでも第二外国語を学びたいという方には、欧州言語であればスペイン語、日本の地理的特性を考えれば中国語か朝鮮語をお勧めします(勿論、目的意識があって学ぶ言語を学ぶのが一番です。ここではあくまでも一般論として。)。

 いつか「第三」にチャレンジしてみたいと思っていて、自分の中の候補は朝鮮語かスペイン語(中国語は難しそうなので)、どちらが良いかなと思案しています。