私が外務省を辞めたのが、2005年7月31日でした。8月1日に、町村外相名で辞職の辞令を頂きました。「あれから9年か」と、その間の色々なことを思い出します。


 いつも思うのが、「生半可な気持ではやらない方がいい。」ということです。決して、お役所に残っていた方が苦労の量が少なかったというつもりはありませんが、お役所に残っていたら絶対にしなかったであろう苦労をした(している)というのは事実です。


 私が現職時代、「政治の世界を目指したい。」という方の相談を2-3回受けたことがあります。残念ながら「政治の世界を目指して『も』いいかな。」と思っているという発言の方ばかりでした。


 ちょっと厳しい言い方になるのですが、私からは「目指して『も』という、その『も』が付く内はこの世界に入ってくるのは止めた方がいいですね。市町村議会、県議会、国会、いずれも目指している方は『何が何でも』と思ってチャレンジしている方ばかり。『も』が付く内は誰も相手にしてくれません。『も』が取れるようになったら、もう一度来てください。相談に応じますから。」と伝えました。残念ながら、「も」が取れた方はいませんでした。


 青雲の志を持ち、公に尽くすその強い信念、9年経って改めて噛みしめています。