といっても、議員としての「職業病」ではありません。かつて、外務省条約課補佐をやった時の職業病でして、それは色々な文章を読む時に「普通の人なら全然気にならないことがとても気になって仕方がない」ということです。


 例えば、お役所文書では「及び」がないのに、「並びに」が出てくることはありません。A+(B+C)を表現する際、役所文書には法則性があって、必ず「A並びにB及びC」というふうに書きます。(A+B)+(C+D)であれば「A及びB並びにC及びD」になります。基本的な集合を作る部分で「及び」を使い、それらの基本的な集合を幾つか繋ぎ合わせる時になって「並びに」を使います。


 「又は」と「若しくは」も同じでして、「又は」がないのに「若しくは」は絶対にありません。A or (B or C)は「A又はB若しくはC」となります。なので、普通に見る文書で「及び」がないのに「並びに」があったり、「又は」がないのに「若しくは」が出てきたりすると、私個人は若干の違和感を持ってしまうのです。まあ、実はこういう法則性があることを知っていると、法令を読む時にとても理解が進むのですけどね。


 その他にも、例えば「接続詞に『したがって』という表現を使う時は必ずひらがな」とか、「補助動詞として使われる『いただく』もひらがな」とか、漢字表記にも一定の拘りを持つようになってしまいました。


 しかし、そんなものに違和感を持つ人種は本当に希少です。ただ、この職業病というのは深刻でして、先日、ある場所でご挨拶した際、「さっきの挨拶で『及び』もないのに『並びに』を使ってしまったよなあ、いかんなあ。」とちょこっとだけ反省している自分に気づきました。そして、あまりの自分自身の奇特さに、更に反省してしまいました。


 この職業病、そろそろどうにかしないといかんなと思うのですけどね・・・。