年が明けまして、新たな気持ちでまた国政に臨んでいきたいと思います。朝の街頭立ち、年末年始の様々な会合を通じて色々な世相が見えてきます。


 昨年末、私が注目したのは、シンガポールのトミー・コーが「日本の地位低下は愚かさと質の悪い指導者による。日本は太った敗者。」と評したことです。ムッとしないかと言われると、勿論、ムッとするわけですけども、そこには幾ばくかの真実があると思います。


 国会の中にいると、とても内向きなエネルギーを感じます。今、世界はとても速いスピードで動いています。今の政治のスタイルがそこに適応できているのかどうか、時折疑問になります。意思決定の遅さはこのご時世では致命的な要素を孕みます。例えば、TPPについて9月までに交渉の道筋がつけられていこうとする時に、何故意思決定が6月になるのかというのは、私にはよく分かりません。中国だったら、韓国だったら、シンガポールだったらどうだろうな、という気になります。大統領制と議院内閣制の違いということはあるのでしょうが、そんな内政上の理由は国際社会では一顧だにされません。


 政治家の資質もあるでしょう。今どき、途上国の指導層は相当に国際派です。英語が話せることは、既に当たり前になりつつあるように思います。また、外交の場面を見ていると「不慣れさ」から来る不手際も散見されます。日本人は総じて「外なるもの」に対するナイーブさがあります。あれだけ国内で手練手管の政治家が、国際社会の場に行くととても大人しく、不必要なまでに丁寧になるのは不思議なことです。国際社会は「ハッタリ」が大きな要素ですから、国内で発揮している手腕をそのまま外に対しても持ち込む気概はあっていいと思います。前進するアジアの国を見る度に、これからの政治家は内向きではいられないことを痛切に感じます。


 かといって、こんな漠然とした自虐感を持っていても何も変わりません。まずは自分からです。「質の悪い」と思われていることは事実なのですから、このどん底からムクムクと立ち上がっていかなくてはと思いを新たにしています。