食べ合わせという言葉がありますが、私には「聴き合わせ」という変な趣味があります。何のことかというと、特定の音楽を聴くと特定の食品に手を出したくなるということです。といっても、そんな大したことではないのですが、私の中では以下の3つが「聴き合わせ」に当たります。


● 日清カップラーメンと「そして僕は途方に暮れる(大沢誉志幸)」
 これはアフリカに住んでいた時、よくやっていました。どんどん砂地が迫ってくるのが実体験で分かる砂漠化最前線の町ダカール(セネガル)だと少し郊外に出ると潅木と沙漠が広がります。そこでささやかな焚き火をしながらお湯を沸かして、日清カップラーメンを食べるのを趣味としていたわけです。愛車CIVICのコンポから「そして僕は途方に暮れる」を流しながら、「そうそう、あのコマーシャルはこんな感じだった」と思ってカップラーメンをズルズルかきこむ。ちょっと渋い気分になりました。今でも車で飛ばしていて、BGMが「そして僕は途方に暮れる」になるとコンビニに駆け込んで日清カップラーメンを調達することにしています。


● ネスカフェと「Good times and Bad times(小田和正)」
 これは雨が降ると、そういう気分になります。パラパラと雨が降り始めると、傘を差して街を歩きたくなります。それが古い町並みならなお良いです。そしてネスカフェです。インスタントコーヒーであることがポイントでした。一時期、パックになったネスカフェを携帯していたことがありました。雨が降ったらそれを使って「Good times and Bad times・・・」と口ずさみ渋い気分になりながらネスカフェを飲んでました。今でもその気分は変わりません。


● ダイドー・ブレンドコーヒーと「It's Only Love(福山雅治)」
 これは比較的若い方でも理解してもらえると思います。ただ、ダイドー・ブレンドコーヒーは甘いのであまり私の好みではないという欠点があります。「It's Only Love」を聴きながら「このコーヒー、甘いんだよな・・・」とかブツブツ言ったこと、数知れずです。


 まあ、ここまで書いてみて思ったのですが、とどのところ、広告会社のコマーシャル戦略にすっかり乗ってしまっているということです。電通、博報堂(かどうかは知りませんが)、なかなかやるなと身勝手に感心しています。ただ、私の原体験として残っているのは基本的に上記の3つだけです。まあ、これは多感な時期にどういう青春時代を送ったかに大きく依拠しているのではないかと思っています。