この方の本、アンチ標準治療で有名なのでネットでちらちらと見てはいたけど、読むとなんかはまりそうなのでちゃんと読んだことはなかった。

今日も外出自粛だけど、外の秘密の場所で子供がスケボーの練習をしているのを横目に時間がありあまるので、Kindleで何かないかなーと探しているとヒット。

読み始めると有名人の名前がずらりで、あの樹木希林さんもある。

それですっかり熟読してしまった。

乳がんと告知されたとき、最初のうちネットはみないようにしていた。

でも結局妄想がすごくて、医師の言うこともいまいちわからないことだらけで、結局ネットで調べ始めたらとまらなくなって。その時に、標準治療に批判的な意見があるっていうことに初めて興味をもった。通勤電車の中吊り広告なんかでよく「がんはこうして治せ」みたいなのがあって、がんという病気に関してはいろーんな意見があるんだなくらいには思っていたけど、こうしてネットの世界を見てみると、これも本当にいろいろあって、これはもう、治療する前にこの世界にはまっていくと、身動きがとれなくなるなと自己防衛機能が働き、深入りしないように慎重に読むべき本を選んでよんだりしていた。

この本にもでている有名な、がんとがんもどき説。

がんには本物のがんとがんもどきがあって、本物のがんだけが転移する。

がんが大きくなってから転移するって言われているけど、そうではなく、本物のがんの場合には、できたときからすでに転移する能力があるから、わかっていないだけでもうすでに転移は始まっている。

でもがんもどきはその能力がなくてただのおでき。

それでも医療業界は手術、抗がん剤という治療をやりたがる。

そう、これが一種の産業なんだってことはこの本を読まなくてもなんとなくわかる。

今はコロナコロナで医療従事者の方がものすごく大変といわれているからあんまり大きい声では言えないけど。どこの業界でも結局上層部、トップのところで何かが仕組まれていて、どこかで儲かるっていうことが資本主義の世の中だから、そういう世界に生きている自分としては、その下層(下層っていうのはほんの一部のトップ以外全部)の人たちはそれぞれがそれぞれの思いで誰かの役に立つために、何かを信じて行っているから最終的にサービスを受ける立場(患者)までくる時には何かがあるっていうことは全くみじんも出てこないのだろうけど。

自分ががん患者というカテゴリーにはまるまで、全く興味もなく、知らなかったことだけど、こうやって治療を受けてみて、直感的にちょっと変だなっていうのは感じる。

病院や保険もそうだし、がんサバイバーの人たちの話を聞いても、なんか全面的にこの標準治療ってやつを信じるっていう気持ちにはなんとなくなれない。

実はうすうす、そんなことを感じ始めていた為に、こういう本はよんだらやばいなーと思ってさけていた。

だって、これには初期のがんは基本的に手術しちゃいけないってあるから。

がんもどきっていう定義がいまいちよくわからないんだけど、そう、がん細胞ってどんどん変異するから、がんもどきだったのに本当のがんになっちゃうっていうこともあるらしいから。

乳がんなんかは結局がんもどきのことが多いらしくて、眠っているがん細胞を手術で起こしちゃうからよくないんだとか。

がんは症状がでてから治療すればいいものだっていう。

樹木希林さんの放射線治療も実はしないほうがもっと長生きしたんじゃないかって書いてあった。

でもよかった、この本を治療始める前に読まなくて。

手術が終わった今だから、こういう本を読んでも、自分にいいところだけいいように解釈して読むことができる。

がん検診にも否定的。

結局今は検診、早期発見が大事ってことになっているのは、がんを見つけてがん患者を増やし、手術やら抗がん剤やらにもっていく為っていうことらしい。

だから、そういう治療を断るとすぐに、別の病院へ行ってと言われてしまうらしい。

なんか今までなーんにも考えずに、会社からやれと言われているから、人間ドックをまじめにやり、病気になったら医者にかかり、言うことをきいて薬を飲み、がんになったらまた医者のいうことを聞きってやってきたし、自分だけじゃなくて子供の病気の時も同じようなことしてきた。

うちの子たちの予防接種って、小児科医や保育園の先生から「お母さん優秀!!」って太鼓判押されるくらい、行政のスケジュールにのっとって、もれなく、そして任意の予防接種まで全部こなしてきた。

医療のことなんて自分は専門外だから、専門家の言うことをだまーって聞いているのが一番っていうのは、自分が子供の頃から大病したり、生死の境をさまようような事故にあったりしたこともなく、優等生タイプで、常に先生の言うことを聞くっていうタイプだったからなりがちな姿勢なのかもしれない。

確かに、この本とかこういうアンチ標準みたいな意見って極端だし、これはこれで、裏があって、こういうセンセーショナルなことで売れるからっていう仕掛けもあるんだろうし、だから書いてあること全部を信じるってこともないのだけれども。

ただ、いろーんな考え方や見方があるのががんというものなのだなと思った。

ここのところ思うのはがんは病気ではないのかもしれないということ。

少なくとも私にとっては。

このがんのおかげで何か不調だったり、痛かったり、迷惑をこうむったことは1回もないから。

あったのは結局目に見えないせいで、あおられた不安や、生活が変わってしまうような治療、そしてその後ずーっと痛いことになる手術。

おまけに今のコロナ問題で、普通の体なら考えなくていいことまで考えるようになってしまったこと。

病気ではないんだけど病気にされちゃった感が今でも抜けない。

手術も終わって、今はもうがんのことなんて考えなくていいし、考えない方がいいと思うのに、なんだかこういういろんな本を手にとってしまうっていうのも、がんというパワーワードのせいなのかもしれない。