古い喫茶店の近くにカレー屋があった。


そのカレーは、信じられないくらいまずかった。


なんだっこのカレーは!と怒って帰る人も大勢いた。


でも、昼になるといつも満員だった。


このカレーを仕方なしに3回くらい食べてしまった人は、もういつの間にかやめられなくなっていた。


それは、究極に薄味のくせに、最後にピリっとスパイスだけは効かせてあるので、食べた後、いつもいい思い出だけが残るからだ。


ある日、いつものようにカレーを注文したら、カウンターで皿をあらう女性がこっちをみていた。


その人の目はらんらんとしていた。


なぜかその人と話すことになり、自分のことを少し話すと、私は大阪の人が大嫌いなのよといい放った。


なんでやねーんとかいう気にもなれず、まずいカレーをさっさと食べて、喫茶店にもどった。


次の日に、昨日のカレー屋の人と横断歩道でばったり出会った。


また何か話をして最後に、カレーおいしい?と聞かれたので、すごくまずいですと答えた。


しばらくたって、喫茶店へその人があらわれた。


私は億万長者になりたいのよ!と、いきなり自分のことを話し出した。


そして、私と組まない?といった。


ここにいて、もうかれこれ1年・・・いつまでいても同じやし、次いったほうがええな・・・。


そう思って、返事ふたつでOKした。


聞くとその人は、自分の母親とまったく同じ年だった。


しかし何やら不思議なパワーを放っていた。


まぁ、こういうのもありやな。


そう思うと、何かすごく新しいことがはじまりそうな予感がしてきた。