先週、旧知のシェパ友Fさんから久しぶりにメールがきました。

「地元の保健所収容情報見たら、シェパードが居たの。収容場所は結構近くなんだけど私は見たこと無いショー系っぽい子。シェパードとなったら、やはりどうにも落ち着かなくて。でも小さい娘もいるから、よ~し!私が!って、やる自信がなくて。どこかに相談出来ないかな~っと、シェパに詳しい銀子さんにメールしました。明日には飼い主が現れてくれると良いんだけどね。」
と、まあザッとこんな内容☆

調べてみると、隣接する県の収容センターに「シェパード 成犬 牡」が保護されていました。
収容期間は12月7日まで。

東京の収容センターなら顔が利くんだけど…
管轄外だったので、シェパードレスキューに携わっているシェパ友のAさんに相談しました。
Aさんが収容センターの職員と話をしてくれた所、放浪していたのを保護したとの事。
「成犬 牡」だけど去勢の有無は不明。
人懐っこく性格も良さそうだけれど足を引きずって歩いているため、何かの病気か障害があるのかもしれないとの事でした。

今回レスキューで動いている団体は無く、収容センターとしては講習を受けてもらえれば個人でも引き出しができると言われたそうです。

そして12月8日の朝、Aさんから連絡がありました。
「この間のシェパードだけど、やっぱり飼主の申し出は無いみたい。それで今日中に何かしらの連絡が無ければ処分するって言われたけど、どうする・・・?」
「どうするったってねぇ・・・」
「でも関わっちゃって状況もわかっちゃった以上、知らん振りできないしさぁ・・・」
「そうだよねぇ・・・」

犬のレスキューは中途半端には関われない。
だから私は絶対に収容センター情報は見ないようにしてるし、昨今シェパード単犬種レスキューの団体も増えてきているようだけど、それも自分からは敢えて関わらないようにしてる。

でも今回は関わってしまった~~

結果、私が直接収容センターに連絡することになりました。
そして収容センターへ連絡し職員と詳しい内容を話し合った結果、動物指導センターと協議させてくださいとのこと。
しばらく待っていると指導センターの職員から電話がかかってきました。

収容センターへ伝えた内容と重複する部分の確認と、諸々のことについて更に詳しく話し合いました。
私からも正直なところ自宅では飼育不可能なので、今回の犬については預かりはさせてもらうが、将来的には里親を探して譲渡になるであろうとの旨を伝えました。
個人での引き出しとレスキュー団体を通しての引き出しと、どちらがより円滑で犬に負担をかけずに済むか。
また万が一、引き出した後に名乗り出ないとも限らない所有者からの連絡があった場合の処遇について。

そして12月9日、急遽保護されているシェパードを引き出すことになりました。

当日は旦那に有休を取らせた(爆)Fさんが同行してくれました。

Fさんは少し前に先住犬のMIX犬と愛犬シェパードを相次いで亡くしています。
長患いも大変だけど、大して看病してあげられないのも悔やまれると当時は大層落ち込んでいました。
会う度に泣き顔だったFさんの笑顔を見ることができたのは、それからしばらく経ってからでした。

当日はまず午前中に指導センターで簡単な説明を受けました。
本来の個人譲渡に至る過程は今回特例ということで処置していただきました。

シェパードが特殊な犬種であること (そうかなあ・・・)
私が4頭のシェパードの飼育経験があること (超適当なんだけど)
過去に数頭のシェパードをレスキューして譲渡に至った実績 (皆の協力のおかげ)
そして何より、処分される犬が1頭減ること

指導センターの職員はこう話していました。
「動物が好きで獣医になったのに、その好きな動物を処分しなければならないのは仕事とはいえ本当に嫌です」

本当にそうですよね。

その後指導センターの中を案内していただき、それから所沢の収容センターへ向かいました。

収容センターと言っても、いわゆる保健所施設の中にある別棟でした。
扉を開けてカウンター越しに女性職員に
「指導センターで説明を受けて犬を引き取りに来たのですが」と告げると
「東京の銀子さん(ココもちろん本名を言われました・爆)ですね」と言われました。

私の名前、普及しちゃってるんですか??
Fさんと顔を見合わせて笑ってしまいました。

男性職員に指導センターで交わした書類を見せ、案内された収容施設はうす暗いコンクリートの建物の中に柵を施してあるだけのところでした。
「どうぞ、出してください。」
え?私たちが?!
男性職員は心持ち後ずさってました。
建物の外にシェパードを連れ出すと、男性職員は挨拶もそこそこに保健所施設へと戻っていきました。

さて、シャバにようやく出られたシェパードはというと。

子犬でした!
たぶん・・・・・生後6~7ヵ月くらいじゃないの?

後肢が悪いって、なるほどぉ。
通常であれば趾部を地面に着けての立姿ですが、この子は飛節までべったり地面に着いてしまっている。
そのために歩き方がベタベタとオットセイが歩くみたくなっている。
これは股関節が悪い訳ではなく、完全に運動不足からくる発育不全だと思う。
無理させず、徐々に日常生活の中で自由運動をさせていけば問題ないと思う。
身体が一番発育する時期に充分な運動をさせていなかったんだろうなぁ。
まあ、階段が下りられるだけ我が家に来た頃の沙良よりはなんぼかマシって感じ・・・

稟性は申し分なし。
おやつを見せれば、嬉しそうに尻尾を振って優しく食べる。
アイコンタクトもできて、座れのコマンドも入っている。

何で放浪してたんだろう・・・・後肢がこんなだから飼育放棄したのかなあ・・・

そんな事を考えていると、隣でリードを持ったFさんは涙ぐんでいました。
ホッとしたのと、嬉しいのと、亡くした愛犬シェパを思い出したのと、そんないろいろな思いが入り混じってたのかもしれません。


そして、それから。

Fさんの車にシェパードを積んで、Fさんの旦那さんが留守番の娘さんと犬を連れて行っている場所へ向かいました。
旦那さんに会うや否や、Fさんは一言。
「うちで預かっても大丈夫だと思うよ」
それを聞いたFさんの旦那さんは
「好きにすれば~~」

保護シェパちゃん、Fさん家に連れて行かれました。
そしてすかさず綺麗にシャンプーしてもらったそうです。
「すっごく大人しくてシャンプー楽々♪ドライヤーもOK!」
との喜びの声?が届いています。
本日は獣医に健康診断受けに行っているそうです。
そのうち検査結果のお知らせメールが届くことかと。




さて余談ですが、昨日引き出しに向かう前に息子と娘に「今日から1頭預かりが来るから」と言い渡してありました。
自宅に戻ると娘がすかさず「犬は?」と聞いてきました。
「・・・・・・・・来なくなった。Fさん家に行った。」
写真を見せると
「夏に似てる!!何で連れて来なかったんだよぉぉぉぉぉ~~」

もしもし?
うちにもいるでしょ、しかも3つも。
充分ですから。

夜遅くバイトから帰宅した息子も「犬は?」
以下、娘と同じ反応でした。

そんな魅力的な保護シェパちゃんの画像はコチラ

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子供たちよ、私だって密かに楽しみにしてたんだよ☆