部屋番号を押すとすぐに彼女が出た
「俺」
「太輔?」
「ああ」
「待って、今、開けるから」
エントランスの扉が開き
まっすぐにエレベーターへと向かう
部屋の前、チャイムを鳴らそうと指を伸ばすと
ガチャリとドアが開いた
「お帰り」
そう言って笑うあいつの顔を見た瞬間
寒さで凍えた俺の頬が熱くなるのを感じた
俺の鞄に手を伸ばしたあいつの腕を
俺の方へと引き寄せる
懐かしい…香り
柔らかな身体
「太輔…
お疲れ様」
「ああ…」
俺の顔を見上げ
口元を覆うジャケットのファスナーを
彼女が下ろした
「ふふふ
子供みたいね」
「ん?
そっか?」
「うん」
「でも…子供はこんなこと…しねーだろ?」
俺を見上げる彼女の唇に
静かに自分のそれを重ねた
