「あ、俺、今夜はこっち泊まるんで」
メンバーをタクシーに乗りこませているマネージャーにそう声をかけた
「ああ
そうだったな」
「じゃ
失礼します」
「…わかってると思うけど
気をつけんだぞ」
「…わかってます」
マネージャーの眼鏡の奥の瞳が俺の心を鋭く射す
女に会いに行く…
“問題、起こすんじゃねーぞ”
その瞳はそう物語っていた
大阪での久しぶりの仕事…
明日の仕事は無く
俺は彼女に会いに行くのを楽しみにしていた
いつぶりだろう…
口元までを覆うように
ボアのジャケットのファスナーを閉め
俺はやって来たタクシーへと乗り込んだ
