「ふふふ
眠るならベッドにしたら?」


床に寝そべり瞳を閉じる彼にそう声をかけた



「ん?
ああ…」



立ち上がりそのまま寝室へと歩く彼の後ろ姿

広い肩
細い腰
引き締まった臀部
すらりと伸びた脚
そして
癖のある歩き方……
そのどれもが愛しく私の瞳に映る



「何見てんだよ」


振り返った彼がニヤリと笑いながらそう言った



「え?
ふふふ
可愛いお尻だなぁって」

「だろ?」

「うん」

「ほら
寝よーぜ」




ベッドにどさりと倒れ込んだ彼の横へと滑り込む



寝息をたて始めた彼の寝顔を見つめる






明日になれば
また「藤ヶ谷太輔」の顔をして
沢山の女性に愛を振り撒くのだろう


彼を私だけのものにしたい…
私だけに微笑み愛を囁く


私だけの男に…



そんな媚薬はないだろうか?







胸の奥がキリリと痛み
さっきとは違う涙が溢れ視界がぼやけた




軽く開かれた唇にキスをする





「ん…っ
なに?足んない?」

「…ううん」

「嘘つけ…足んないんだろ?」

「違うって…」

「やっぱあれは媚薬だな
ははは」

「もう…違うってば…」





微笑み瞳を閉じる彼…




好き…よ




媚薬なんて私には必要ないの
だって
出逢ってからずっと…
私はあなたの虜だもの…
あなただって知ってるでしょ…















END