彼の動き
彼の肌の湿り気
彼の唾液の味
彼の吐息の香り
愛しい…彼の…全て
彼の前髪が私の頬をくすぐる
愛しさは胸の奥をほんの少し痛くする
彼に出逢って
私はこの胸の痛みにずっと悩まされ続けている
こんなに近くに彼がいるというのに
もっともっと近くにと願い
それでは足りないと
彼とひとつになることを願う
でも
ひとつになる……
それだけでは足りないと思う時がある
ひとつ…というより
彼の中へとはいりこみたいと思うのだ
そうすれば
離れている間のもどかしさも寂しさも
きっと感じなくなるはずだ
彼が感じる全てを感じ
彼の耳に届く音を同じように
耳にする事が出来たら…
そこに見えるのはどんな世界なのだろう…
「はぅっ……っん…」
彼の舌が私の蜜をなめとり始める
ああ…
私は愚かだ
彼の中に入り込んでしまったら
こんな風に私を味わってもらうことが出来ないではないか…
離れていた時間の切なさは
彼とひとつになるための前戯…
だとしたら
あの胸の痛みも…我慢できる
身体を上下させ
私が彼を味わう
彼から漏れる吐息が私を満たしていく
私の髪に絡まる彼の指
その手に優しく撫でられると
どんなことでもしてあげたくなるのだ
唾液まみれの私を横にして
彼が見下ろす
彼の首に腕を回すよりも先に
彼が私の唇を塞ぎ深く舌を差し込んだ
片足を上げられると
硬く主張する彼自身があてがわれるのを感じた

