彼の車に乗り込む

エアコンのよく効いた彼の香りのする空間


冷えた身体に
温もり以上の心地良さが広がる


けれど
ハンドルを握る彼の横顔はどこか固く
声をかけるのが躊躇われた






車の数の減った道を無言で進む




「…どこに…行くの?」

「ん?
うーん
さぁ」

「え?」








しばらく無言のまま走り続ける








次に彼が口を開いたのは
高層マンションの駐車場に入った時だった






「……ここ…おれんち」