「もう行くの?」

「ええ」

「早くね?」

「今日は会議があるのよ
後輩が資料の読み直しと打合せ
して欲しいって言ってるのよ
だから
少しね…早く出勤しようと思って」

「そっか」

「鍵だけ忘れずにお願いね」




ベッドに横になる彼





ほんとは…

もう一度そのシーツの隙間に滑り込んで

彼の温もりに包まれたい…


でも…

会社員の私には…それは許されない



メイクの仕上げ…

最後にルージュを塗り

ティシュで軽く抑える




「なぁ
ちょっとだけ
こっち来いって」

「何?」

「いいから…」





時計をつけ終えた私は

ベッドへと歩み寄る



「太輔は…今日はオフだっけ?」



そう声をかけながら

彼の頬を撫でる




「ああ」

「そう?
じゃ…ゆっくりしていって」

「ん…」

「ふふふ
お水でも持ってこようか?」



彼の元を離れようとした私の腕を強く引き

彼がベッドから立ち上がった


「どうしたの?」


昨日の情事の名残り

何も身につけていない彼が

私を抱き締める



「行くなよ」

「え?
それは…無理よ」

「なぁ」




下腹部へとあたる彼のそれが

硬さを増していくのを感じる



「もう…
ダメだったら…」

「無理」

「ダメ」

「やだ」

「帰って来てから…ね
オフなら…このまま…ここで待ってて」

「無理」








そのまま

彼の温もりの残るシーツへと

横たえられた…