あれから何度

この部屋で彼と抱き合っただろう




短い時間の中で

ただ抱き合う



肉欲のままに

本能のままに




家庭を壊す気など無かったし

彼も私と本気になる事などないだろう


互いの欲のために

互いの身体を使う



相性がいいのだから仕方ない




夫のソレが嫌いなわけではないが

手順のわかったソレは…

時に退屈でもあった


彼とのソレを知ってしまった身体は

もう…夫では満足しなかった



そして…



きっと

他の男も…私を満たす事はないだろう







なのに

彼との逢瀬の後はいつも苦しくなる

しっかりと抱かれ満足したはずなのに

もうすぐに欲しくなるのだ

もっと…もっと…

身体の欲望は留まる所を知らずに

更に強くなり私を苦しめる


日常のそこかしこで

彼との事を思い出し

私の生活は狂いはじめていた





“○○ちゃんママ?
ねぇ?
これでいい?”

“○○ちゃんママ?
大丈夫?”



ママ友との集まりで

そう何度も肩を叩かれるようになり

何か悩みがあるなら聞くからと

好奇心を抑えた幾つもの瞳が私に声をかけた



誰にも…言えない

誰にも…言うまい


口にした途端

あの嫌悪した友人と

同じに成り下がってしまう

その辺に転がっているただの不倫話として

ママ友達の間の格好の暇つぶしに使われるのだ









こんなにも自分がSEXにのめりこみ

こんなにも淫乱だったとは…

彼に逢えない日が続くと

私はこっそりと自分で自分を慰めた

彼の指を思い出し

彼の舌の感触を思い出す



そして

彼の香りを…思い出す




シーツの隙間

彼のぬくもりと彼の香りに包まれる時

私は

全てを捨ててもいいと思う事があった

このシーツの隙間以上に

居たい場所はなかった