微笑みかける彼女の瞳を

しっかりと見つめ返す




もう

あの頃の俺じゃないよ

恥ずかしがって目を逸らす事は

もうしない



彼女が先に目を逸らした


テーブルの上の彼女の手を握る



「藤ヶ谷くん?」

「りんさんの手も…変わらないね」

「え?」

「この…指輪…以外は…」

「藤ヶ谷くん?」



手を引っ込めようとするから

握る手に力を込めた




「ちょっ…」

「ねぇ?
幸せ?」

「え?
なに?」

「りんさん
幸せ?」

「…う…うん
幸せ…よ」




「そっか
そうだよね
こんな家
建てようかっていうんだもんな
旦那さんはエリートのイケメン
そりゃ幸せだよね
あはは
俺…野暮な質問しちゃったな
ごめんなさい」





幸せ?



旦那が俺に何を頼んだか知っても

そう言える?








それでも…幸せって…言える?