「あのさ
こんな食えねーから
なんか
簡単なのにしてよ」


「…わかった」




野菜スープでリゾットを作る




1口食べた彼は
驚いた顔をして私を見上げた






「え?
美味しく…なかった?」


「ちげーよ
めっちゃ美味い
何これ?
あんた
プロ?」







パクパクと食べる彼の姿は
さっきまでの拗ねた私の気持ちを
すっかり消し去った





「あー
なんか生き返った気分」

「そう?
良かった」





「ありがとう」




「…ん
いいえ
お口にあって…良かった」










不躾な言葉と感謝の言葉
冷たい視線と柔らかな微笑み


どちらが
この人の
“本当”なんだろう…