連日満員御礼のスタンディングオベーション


でも

彼女はどう思うだろう?


こんなに沢山の人の拍手を受けても

それでも

なお

俺は彼女の評価を…求めていた









千秋楽…




今日

彼女がこの観客席に入る






「これで最後ね」

「はい」

「評判良くて
関西の公演もオファーされてるのに…」

「すいません
ツアーと被っちゃって」

「だから
ジャニーズは嫌なんだよって
あの人言ってたわ
舞台をなんだと思ってんだってね」

「あの人?」

「そう
あの人…」




女優のその言い方は意味深で

そして

その視線の先には…

この舞台の監督…




「ごめんね
藤ヶ谷くん」

「え?」

「からかって…」

「からかう?」

「そう
私…あの人と付き合ってるの」


「え?!」

「もう…何年になるかしら
最近…若い女優にちょっかい出してたから
私も…って」

「…」

「この舞台で
藤ヶ谷くんとキスをするたび
あの人は
私を求めて来た」

「…」

「それだけ…
あのシーンは強烈だったみたいね
ふふふ」

「そう…ですか」

「そうよ
映画で激しいベッドシーンしたって
平気な顔して
批評してくるような人なのに…
藤ヶ谷くんとのキスは…
何か…感じたみたいね
ふふふ」

「はぁ…」

「ねぇ
彼女は…観に来るの?」

「ええ
今日…」

「そう…
なら…
終わったら
ちゃんと…自分の気持ち伝えないと
誤解されちゃうかもよ」

「え?」

「あの人が…
ヤキモチやいちゃうくらいなんだから…」

「はぁ…」

「じゃあ
最後…
やりきりましょ」

「はい!」