彼の舞台が幕を開ける





ネット上には賛否両論の意見が飛び交う

その中

彼のファンの悲痛な叫びが…目立った

ふたりのラブシーンが余りにもリアルで…

ふたりの仲を疑う声があがっていた










それを受けてか

ふたりの熱愛を報じる週刊誌



“大阪での密会”

“彼女のマンションに
足繁く通う藤ヶ谷太輔”

“舞台の愛は…現実世界で成就させて…”






友人から

電話がかかる




「大丈夫?
あんな週刊紙…嘘ばっかりだからね
ふたりで写ってるように見えて
その前後には他の人間がいる
っていうのがよくあるやり方だから」

「うん」

「舞台の宣伝よ
だから…気にしないで」

「…うん」









気にしない…

でも…

スポーツ紙に載った舞台の上での

ふたりのキス…

それは…

演技だとわかっているのに…

私の心を苦しめた












わかってる

でも…

彼の仕事を理解していると

自負していたのに…

それでも

湧き上がるこの胸の痛みが苦しかった…