俺…何してんだよ
チケット渡しに来ただけなのに
彼女に会ったら…
不安な気持ちが一気に吹き出てきた
クソ…
ソファから立ち上がる
「ワリぃ
もう…行くわ」
その手を彼女が握った
「大丈夫よ」
「…」
「本当にダメな役者だって思われたら…
配役…変えるはず
あの監督…そういう人よ
だから…」
「ちげーんだ!」
あの女優だよ…
俺じゃなきゃ…
俺を…降ろすなら…
ラブシーン…カットしてくれって…
「ごめんなさい
わかったような事言って…」
「悪い…」
「ううん」
「もしも…」
「ん?」
「舞台が失敗したら…」
「ん…」
俺の事…
嫌いんなる…か?
そんな問いかけが心に浮かぶ

そして
俺は気づく
他の誰かに何を言われても
彼女だけには
この役は
“藤ヶ谷太輔”
でなければダメなのだと
そう…認めて欲しいことに
そう思って欲しいことに

「失敗?」
「ああ」
「それもまた…いいんじゃない?」
「は?」
「1000人の観客がいて
その1000人全員が拍手喝采すれば
成功?」
「そー…だろ?」
「そんな事にこだわってるようじゃ…
“藤ヶ谷太輔”の殻は…破れないかもね
失敗しない人はいないんだもん
不安なら…
たった一人の観客の心に
届けるつもりで演じたら?
その一人の心に…何かを残すつもりで」
「…」
「こんないい役
俳優なら誰でも欲しくなる
こんなチャンスないよ
だから
いいじゃない
失敗したって…
きっと…太輔くんは何かを得る事が出来る
この顔が
舞台の上でどんな狂気を演じるのか…
わたしも…観たかったな」
「…」
ポケットに忍ばせたチケット…
彼女に差し出す
「え?
私に…?」
「ああ…」
「がっかり…させるかもしんねーけど」
「がっかり?
でも…
私はどんな太輔くんも…好きよ
それに
こんな野性味を感じる表情になってるんだもの
大丈夫よ
きっと…上手くいくから」
彼女を腕にしっかりと抱いた
大丈夫よ…
彼女の温もりが
俺の背中を押し
彼女の言葉が俺を包む
チケット渡しに来ただけなのに
彼女に会ったら…
不安な気持ちが一気に吹き出てきた
クソ…
ソファから立ち上がる
「ワリぃ
もう…行くわ」
その手を彼女が握った
「大丈夫よ」
「…」
「本当にダメな役者だって思われたら…
配役…変えるはず
あの監督…そういう人よ
だから…」
「ちげーんだ!」
あの女優だよ…
俺じゃなきゃ…
俺を…降ろすなら…
ラブシーン…カットしてくれって…
「ごめんなさい
わかったような事言って…」
「悪い…」
「ううん」
「もしも…」
「ん?」
「舞台が失敗したら…」
「ん…」
俺の事…
嫌いんなる…か?
そんな問いかけが心に浮かぶ

そして
俺は気づく
他の誰かに何を言われても
彼女だけには
この役は
“藤ヶ谷太輔”
でなければダメなのだと
そう…認めて欲しいことに
そう思って欲しいことに

「失敗?」
「ああ」
「それもまた…いいんじゃない?」
「は?」
「1000人の観客がいて
その1000人全員が拍手喝采すれば
成功?」
「そー…だろ?」
「そんな事にこだわってるようじゃ…
“藤ヶ谷太輔”の殻は…破れないかもね
失敗しない人はいないんだもん
不安なら…
たった一人の観客の心に
届けるつもりで演じたら?
その一人の心に…何かを残すつもりで」
「…」
「こんないい役
俳優なら誰でも欲しくなる
こんなチャンスないよ
だから
いいじゃない
失敗したって…
きっと…太輔くんは何かを得る事が出来る
この顔が
舞台の上でどんな狂気を演じるのか…
わたしも…観たかったな」
「…」
ポケットに忍ばせたチケット…
彼女に差し出す
「え?
私に…?」
「ああ…」
「がっかり…させるかもしんねーけど」
「がっかり?
でも…
私はどんな太輔くんも…好きよ
それに
こんな野性味を感じる表情になってるんだもの
大丈夫よ
きっと…上手くいくから」
彼女を腕にしっかりと抱いた
大丈夫よ…
彼女の温もりが
俺の背中を押し
彼女の言葉が俺を包む