大切な人と過ごす…



それが俺に幸運を呼ぶって…


それはそうだろう?

大切な人といるだけで

もう…幸せだもんな





話したい

逢いたい








収録は思いの外早く終わり

マネージャーが運転する車に乗り込む



大阪…か

ホテルもわかってる

部屋番号だって…わかってる



明日は休みだ

何を躊躇してんだよ



でも…大阪…か

















「なぁ
新幹線の最終って何時?」

「新幹線?
どこ行きだ?」

「大阪…」

「大阪か…
新大阪なら
21時過ぎじゃなかったかなぁ」

「21時か…」




腕時計を見る

20:30…になろうとしてる




「なぁ
今から駅向かってくれ」

「今から?」

「ああ」

「行くのか
大阪」

「ああ」

「何しに?」

「いや…ちょっと…」

「女…じゃねーだろな」

「ちげーよ」



バックミラーでマネージャーが

俺の顔色を見るのがわかる



「明日はオフだけど…
今…
事務所も色々大変なのは
お前も知ってんだろ」

「ああ
わかってる…
ちょっと…
知りたいんだ」

「ん?」

「あの小説の舞台になった大阪の街を」





口から思わず出た言葉

それは…噓って訳でもなかった




信号で止まり

マネージャーが振り返る



「お前
本気なのか?」

「無理だってわかってる
でも…
こんなに興味を抱く作品
初めてだからさ…」

「…そっか」

「明日の夜には帰るから」

「わかった
って…
ホテル…あんのか?」

「あ…
新幹線の中で探す」

「ん」






最終の新幹線にかろうじて乗り込めた






















ピンポン…








寝起きの彼女は

余りにも無防備で

愛しさが溢れて

抱きしめた