「ありがと…
優しいのね」

「ん?
まあ…な…」




瞳を閉じた彼女の目尻を

涙が一雫溢れる




指先でそっと拭う…


彼女は

瞳を閉じたまま微かに微笑んだ





しばらくすると

眠ってしまったのか

彼女の規則正しい寝息が聞こえる








ふふふ

ちょっと無防備過ぎねーか?

初めて会ったばかりの男の前で

寝顔をさらすなんて…





しばらく

彼女の寝顔を見ていた






今日出逢ったばかりだというのに

沢山の彼女を知ったような気がする


ムッとした顔や

驚いた顔

挑戦的な強気な瞳

淋しげな横顔

涙で濡れた頬

無防備な…寝顔

そして

笑顔…




なんなんだよな…



って…俺もさっさと帰りゃいいのに



なんでだよ…

この寝顔見てたら…





なんだか…俺…癒やされてる気がする