クリスマスの
イルミネーションに彩られた街
その中をひとり家路につく時
いつも
あの親子を想っていた

あたたかい部屋で
ふたり仲良く寄り添う姿を想像するだけで
俺もそこにいるように
温かな気持ちになるのだった
けれど
現実は冷えきった部屋があたたまる前に
眠りに落ちてしまうほど
毎日疲れきっていた

インターンシップは日毎に内容が濃くなり
こなしていくだけでやっとだった
毎日提出する業務報告
日々の振り返りに加えて
覚える事のあまりの多さに悲鳴をあげる



そんなインターンシップも
クリスマスの今日…終りを迎える

一緒に参加していた玉森くんと
ふたりで打ち上げと称して
飲みに行くことにした




「藤ヶ谷くんは
ここ一本?」

「そうだけど…玉森くんは?」

「俺…
夏に別のインターンシップ参加しててさ…

これ内緒な
悩むよな…
ここもいいんだよ
待遇も悪くないし…
このインターンシップでヘマやらなければ
ほぼほぼ採用らしいしさ…」

「そうなのか?」

「藤ヶ谷くんって…情報に疎いでしょ?」

「え…あ…よく言われる」

「まぁそんなとこが
あの宮田さんが
気に入ってるとこなんだろうな」

「なに?それ?」

「俺らふたり
宮田さんのチームか
二階堂さんのチームか
どっちかに配属みたい…

宮田さんがお前をって
熱望してるらしいぜ」

「え?そうなの?」

「そうなると
俺…二階堂さんなんだよなぁ
悪い人じゃないけど…
あの下でってなると
振り回されそうでさ…憂鬱だ」





採用…って
それだけでも驚きなのに
採用後の配属まで
もう検討されてる…

おれ…何にも知らねーで
ここまで来ちまってる…
こんなんで
大丈夫なんだろうか…


近いうちに
一度
横尾さんに連絡してみようか…



玉森くんと別れ帰りの電車に乗る

時間は21:00…

カバンに忍ばせたプレゼントを確認する








彼女達のアパートに向う



遠くからでも
部屋に明かりがついているのがわかる



会いたい…


でも
もうこんな時間…
非常識だよな
でも
プレゼント…渡したい
喜んでくれるか…この目で確かめたい



アパートに近づく俺




逢いたい…







彼女達の部屋の扉が開く



え?






男の声が…聞こえて来た…

「じゃあまたな
るい」

「うん
またね
プレゼントありがとう」

「今日は本当にありがとうございました」

「こっちこそ
美味いメシ
ありがとう…」

「気をつけて」

「うん
おやすみ」


だ…れ…?


階段を降りるその姿には
見覚えがあった

見送るるいと彼女の笑顔に胸が苦しくなる













街灯の下
照らされたその人は…









横尾…さん…



え?


横尾さん…?