クリプトグラムの暗号解読は観客次第。どんな秘密が隠されていたのか、私なりの解読で浮かんだストーリーを書いてみます。ネタバレというよりは完全な私の妄想でございます。これから舞台をご覧になる方はお読みにならない方が良いかもしれません。と一応お断りしておきます。
視点をジョンにおいて考えてみます。最初の暗号は「毛布」。
あの毛布は彼が赤ちゃんの頃くるまれていたもの。つまり両親の愛情の象徴です。自分を守り暖めてくれる存在。
もう一つの意味もあります。ジョンが産まれる前ドニーとロバートは二人でこの毛布をもってよく田舎に出かけていた。と語られています。毛布は仲の良かった両親を連想させるものでもあるのです。
その毛布がいつの間にやら屋根裏にしまい込まれ、出してみると破れてしまいます。ジョンは自分への愛情が失われていく恐怖、そして自分の存在が両親の仲を壊してしまったのではと不安でいっぱいになるのです。毛布を破ってしまったと狼狽するジョンに向かって「あなたのせいではない。ずっと前から破れていたのよ」と冷たく告げるドニー。非常に象徴的なシーンです。
ドニーの言葉に納得出来ないジョン。
「でも僕が破ったんだ!びりって音がしたんだよ!」
「僕が破ったんだ。」
「音がしたんだ。。。」
「ぼくのせいじゃないの?前から破れていたの?」
楽日には、私、このシーンで落涙。坂口君のあの必死→うつろな言い方。巧過ぎだよ!
「毛布=両親の愛情」の公式を使うと、この後のジョンの台詞の数々がひたすら胸を打ちます。
特に三幕で毛布に執着する姿。「毛布持ってていいって言った!」と叫ぶ声。もうひたすら切なかったです(切ないどころか号泣して周囲からめっちゃ引かれましたよ。。坂口ジョンうますぎー)。まだたった10歳の少年なのです、まだ親の暖かい愛情にぬくぬくと包まれている権利があるのです。そうストレートに訴える事も、ドニーを非難する事もせずただただ毛布を求めるジョン。あー書いてても涙出て来た。
次の暗号はジョンが寝る前に聞こえてくるという「声」と闇の中に見える「灯り」。
なぜジョンはドニーに甘えないのでしょう?寒いのならば、不安ならば、抱きしめて欲しいとねだってもこの年齢なら不思議ではありません。さらになぜ夫婦の亀裂は自分のせいと思ったのでしょう?
ここで「声」と「灯り」に答を見つける事ができそうです。
色々な答のパターンがありますが、私はロバートがジョンに秘密を話したのだと思います。ジョンの本当の父親はデルだという秘密を。
真っ暗なベッドルーム、キャンドルを持って入って来たロバートが眠っているジョンに別れを告げる。一緒にキャンプには行かれない事を詫び、そして秘密をささやく。ともにキャンプに行くべき本当の父親はデルだとでも言ったのでしょうか?
ジョンは夢の中でそれを聞いていました。目覚めた彼はそれが本当にあったことか、夢だったのか分かりません。ただひたすらに夢である事を願って、父ロバートが帰ってくること待ち続けます。彼が帰ってくるまでは眠る事が出来ません。ロバートが帰って来さすればアレは夢だったのです。しかし帰って来ないロバート。
ロバートが戻らない事が決定的になった後も、ジョンはささやかれた言葉の正否をドニーやデルに聞く事ができません。ただ「声が聞こえた」「灯りが見えた」と訴えるだけ。湖の小屋に行きたいとドニーにせがむのはロバートに真実を問い質したかったのかもしれません。
芝居のラストはジョンの台詞です。
「眠れない」
「声が聞こえるんだ」
たった10歳の少年の深い苦悩でこの物語は終わるのです。
次は突っ込みどころ満載のデルの暗号に行きます。