ふに(妹)さん「トラックデイズ」 | 楽しまなきゃ損だよね!

楽しまなきゃ損だよね!

~いままで、これからの思い出~

ふに(妹)

8月15日の
午後12時半くらいのこと
天気が良い
病気になりそうなほど
眩しい日差しの中
荷台にじゃがいも積んで走っていた

「でもまぁ夏は嫌いかな」
芋かじりながら
ものすごい形相でつぶやいた

あぁ、大きな交差点
通りかかるとき
飛び込んで
きやがったのは
赤い瞳の女の子

バッと吹き飛ぶトラックが
ビルの5階へ突き刺さる
車体が彼女に
あたった瞬間
倍の力で跳ね返された

嘘みたいな斥力が
「嘘じゃないぞ」
って作用する
彼女は無傷で
両目を見開き
散り逝く僕を鼻で笑った

僕の働く
運送会社での残業中
今は何時?

8月14日の
午前12時過ぎ位を指す
素朴なじゃがいもの味を覚えていた

でもさぁ、少し不思議だな。
あの交差点で昨日見た夢を思い出した
「もう今日は帰ろうか」
明かり消した時
窓の外に見えた
閃光と激しい爆発音

落下していく鉄柱が
軌道変え会社に突き刺さる
歪む視界と
当社のジャガイモ
煙幕の中で空回り

彼女みたいな陽炎が
「夢じゃないぞ」
って嗤ってる
遠のく意識に
芋の後味
金属のような味がした

何度世界が眩んでも
彼女が嗤って奪い去る
繰り返して何十年
もうとっくに気が付いていたろ
こんなよくある話なら
結末はきっと1つだけ
繰り返した夏の日の向こう

バッと飛び出す女の子
瞬間じゃがいもをぶち当てる
血飛沫の色
僕の瞳と
病気の日差しに
乱反射して

横たわった美少女に
「ざまぁみろよ」
って笑ったら
しかしそいつは
見知らぬ男で
直後背後で声が聞こえた

目を覚ました8月14日のベッドの上
少女はただ
「またダメだったよ」と一人
さつまいもくわえてた




カゲロウデイズ~トラックの運転手目線~
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