義姉も私と同じく一人住まいで、私は時々ご機嫌伺いに行く



部屋に入ると警戒モードのスコティッシュフォールド、子猫の時は好奇心旺盛で近寄ってきたのにな



義姉が抱き上げて私の傍まで連れてくるがすぐに部屋の隅の隠れ家へ…

頭隠して尻隠さずの姿が可愛らしい



暫く部屋の中で義姉の町内会での出来事での悩み話を聞いていたが、気持ちの落ち込み以上にかなりの憤慨が読み取れた



このまま夜を迎えるのは辛かろうと思い、夕食には少し早い時間ではあったけれど景気づけに美味しいものでも食べて、一日をいい気分で終わらせてはどうかと提案した



義姉はウンウンと頷き、早速でかけることにした



昔懐かしい老舗のお蕎麦屋さんはどうかと言うと、そこだったら確か休みなく開いているから大丈夫だろうとのこと、ネットで調べる必要もないから直ぐ行ってみようと向かう



道すがら、昔 主人行きつけのお寿司屋さんの前を通ると閉店のお知らせが貼ってあり驚く



ガード下にあるこぢんまりとしたお店で、坊主頭の大将のことを主人は「おい、ハゲ親父!」なんて言って、その度に私はやめなさいよ、と肘鉄を食らわす、その様子を見ながらいつもニコニコ優しい大将



私は昼休みの時間、大将に魚のさばき方を教えてもらった事がある



教えてもらった後に、「一緒に休憩しよう」とカウンター席に案内され、私の前に大きなバランの葉を一枚置いたと思ったらたっぷりのワカメ、ガリを乗せ、お刺身をサササと切り分け盛りつけてくれた



「酒も飲むか?」と聞かれ心躍ったが、「残念ながら仕事があるので…」と断わる



それから日本茶を煎れてくれて、大将は「ボクはこれを食べるから…」とお菓子を持ってきて、私の横に座る



私は絶品のお刺身を食べながら、大将はお菓子を食べながら、いろんな話しをする



どんな流れかは忘れてしまったけれど、大将がお店を開いた時分の話しで盛り上がる、その中でずっと忘れられないのが白木のカウンターの話だ



白木はすぐに汚れるものだから、それを真っ白に保っているお店は清潔な証拠なんだそうだ



ただ、いくら丁寧に拭いて乾燥させていても色が黄ばんできてしまうらしい



「どうやって白く保つか分かるか?」と聞かれたが皆目検討もつかない、(漂白剤?!)とよぎったが、まさか繊細な寿司ネタを扱うお店で漂白剤のキツイ匂いはないだろうしなと思ったしね



答えはね、なんと『牛乳』!!

よく乾かしてから塗ると牛乳の成分によって照りもでて、白さも保てるらしい



義姉にそんな昔話しをした



義姉が言うには昨年末まではお店は開いていたとか…

大将はどうなさっているかしら…



昔ながらのお店があったらあったで、なくなったらなくなったらで、何とも言えない気持ちになるものだなあ