実母には
帰省の最終日夜の5月5日に
伝えるつもりでいた。
兄とも相談して
それがいい![]()
と言うことになっていた。
帰省して翌日すぐのお昼は
しゃぶしゃぶ食べ放題![]()
兄の奢り、というか
経費で落ちるやつ![]()
午後は持参のPCで
カタカタ仕事して
気づいたら夜になっていて
ふと、なぜだか
今言えないかな?
と思い立ってしまい
2階にいる兄に匂わせ
そして『博士ちゃん
』に見入っている
りんりんと母に
「あのさぁ、今テレビ観てる?」
「ちょっと、お母さんとりんりんに話あるねんわー」
と言うと
母の顔が曇った。
「ちょっと、りんりんこっちおいで~」
と、いつもの抱っこちゃん。
息子は超絶甘えん坊である。
未だに人前でも抱っこぎゅーとか平気![]()
「あんな、実はお母さん、病気になってしもたんよ」
絶句する母を横目に
「あ、先言うとく。死にません
」
「ただなぁ、ちょっと治療に時間かかるねん。病気はね、癌です。」
さらに険しい顔つきで
叫びかけた母を
遮るように続けた。
「どこに癌が出来たかというと、あなたの大好きなおっぱい。ちょっと触るか。ここや。」
「でな、お父さんはもちろん、校長先生も、ピアノのN先生も、あとKちゃんのママとか、もういろんな人が知っててな、みんな協力するよーて言ってくれてるねん。」
淡々とそれでいてできるだけ普通に
変に明るくもないけど
それ以上に悲観的でもない口調で話した。
「まず、もう今月の終わりから、お薬の治療が始まります。『こうがんざい』って言うてな、がんと闘う(抗う)薬と書いて抗がん剤や。」
「もう、先月から日大に行ってます。あなたもよう知ってるあの大きい病院ね。」
母の顔は見れなかった。
「この薬がな、よぅ効く代わりに、きついんよ。せやし、しばらくしたら髪の毛が全部抜けるねん。おハゲになるんよ。あ、大丈夫やで。かつら被るしな。おハゲで外歩かへんよ
」
「あと秋になったら手術します。たぶん11月とかやわ。」
そこまで話をすると
りんりんは、すっと
もう全部理解したと言わんばかりに
部屋の奥へ行き、一人で遊びだした。
そして母へは
この乳癌は全く新規の癌で
前回の転移ではないことや
いつわかったのか
どんな検査をしたのか
癌の種類やステージ
この先の治療方針
などいろんなことをできる限り詳しく話した。
あたしは
とにかく、抗がん剤が初めてなので
どの程度の副作用が出るのか
想像がつかないこと
個人差が相当あって人によるから
不安であることも正直に告げた。
母には
相当なショックを与えてしまい
本当に申し訳ないと思ったけれど
なによりも、りんりんのためには
まだ死ねない。
絶対、癌が小さくなって予後もよく
再発転移なく過ごしたい
だから、協力よろしくお願いします。と
頭を下げたのだった。
