ゆっくりと出来ないことに彼は残念そうで、随分と我慢していた煙草に火を点けた。
そして、
「ゆきは、まだ若いんだから‥この先、どんな幸せが待ってるか知れない。もしかすると、再婚も有り得るかも知れない。その時の為に、夫婦間のご法度を伝授してあげる」
「何、言ってるの?こんな時に‥そんなの教えてくれなくていいよ」
「これは、大事なことだよ」
「女に生まれた限りは、昼間は淑女に夜は娼婦に!!そうすりゃ、家庭円満なのさ。ゆきの話から察すると、ゆきに欠けていたことだと思うよ」
「夜は娼婦にねっ、そんなの男のエゴだよ」
「エゴ?!そっか、それは男のエゴなのか~。エゴでも何でもいいさ。俺は、ゆきが大好きだぁ~」
彼は、子どものように言った。
この日の昼間には、彼とこのような砕けた会話が出来るなど想像もしていなかった‥
私は、自然の流れに逆らうことなく心向くままに愛し合えた悦びを噛みしめた。