震災から5年。
もう5年なのかまだ5年なのか。

あの日の事はとても鮮明に覚えているので、毎年ちゃんと思い出す。

当時住んでいた下北沢のマンション。
環七沿いに面した部屋だった。

夜になって大量の帰宅困難者の方々が環七を歩いているのを部屋の窓から見てた。
信号も街灯も消えた真っ暗な大通りを、各々のスマホや時計の灯を頼りに歩く人々。
ゆらゆら揺らめいた沢山の灯はまるで川を流れる灯篭流しのようだった。
疲労感に包まれて、生気を失ったように黙々と歩く人達はとても不気味だった。
大行列は途切れる事なく朝まで続いた。

あの時住んでいた部屋の事も、当時の人間関係のことも、この数年間何度も思い出していた。

去り行く鍵と新たな鍵。
人と人との巡り合わせは本当に不思議だ。

運命だとか奇跡だとか、必然だとか。
そんな事は全く分からないし、結局ただの結果論でしかない。

ただ、当たり前なんて出来事や物はこの世には何一つない。

今の生活や人との繋がりや愛情や思いやりに日々感謝して、丁寧に生きていかないといけないんだなと。

こんな日はそれを再確認している。

私の大切な人達が、みんな健やかに穏やかに日々を生きていけますように。

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