いくら私が日本に帰りたくても、
住民票がなく、
未就学児3人を連れて、
無職で、
家も借りられなければ、
日本でホームレスになる可能性があります。
保育園に入れる保障もない未就学児3人と共に、
ゼロから日本で再建は不可能に近い気がしたので、
アメリカに残る想定も考えました。
温暖な南部では珍しく寒い冬のある日、
私はアメリカの不動産屋へ行きました。
1人で行きたかったのですが、
その日は第2子の体調が良くなく、
保育園を第2子のみ休ませて、
一緒に行きました。
日本では概念はないですが、
アメリカでは、
住む地区は非常に重要です。
貧困地区は犯罪多発地帯になっており、
子供を連れて住めません。
こちらにも書きましたが、近所のスーパーでの誘拐殺人事件がまさにその例です。
私は不動産屋さんに、
貧困地区以外でお願いしました。
すると家賃は高額になります。
もちろん富裕層や中間層は高いので、
準中間層エリアをお願いしました。
富裕層エリア
中間層エリア
準中間層
※私の希望。
準中間層は、家賃はだいたい15万円以上。
しかし困ったことが一つ。
不動産屋さんは私を見て、
大喜びしました。
米軍基地の街にいる日本人女性=
米軍妻
だとすぐ思われたのです。
米軍からは住宅費が支給されるので、
家賃滞納のリスクがなく、不動産屋さんに歓迎されてしまいます。
しかも…
「米軍人なら、特別に保証金(家賃半年分)が免除になります。
米軍から在職証明書を持ってきてくださいね!」
=米軍人以外なら、
家賃x6の保証金が必要になります。
夫が、
いつまでも米軍にいられる補償はありません。
「仮に…米軍を除隊する場合、どうすれば良いですか?」
「あ、退役ですか?
兵役ご苦労様でした!
再就職先は、
警察官?
刑務官?
海上保安官?
空港職員?
再就職先の契約書でいいですよ。
ご主人に言えば、すぐわかるはずです。」
ダメだ、
ハードルが高すぎる。
退役とは、
真面目に兵士を20年間勤めあげ、
年金をもらいながら、
米軍の斡旋してくれる再雇用で働けます。
警察官、刑務官、海上保安官、空港職員など、
安定した再雇用が多いです。
ちなみに退役ではなく、
不名誉除隊(グビ)の場合、
アメリカ国内のまともな再就職は厳しくなります。
悲しすぎる
私は逃げるように不動産屋さんから去り、
別の不動産屋さんへ。
今度は素直に言ってみました。
「夫は退役ではなく、除隊になるかもしれません。
その場合、家は借りられますか?」
「ここなら大丈夫でしょう」
と紹介された物件は…
家賃6万円
貧困層エリア
日本人の感覚なら、
「しばらくそこで我慢しろ」
と思われるかもしれませんが、
貧困地区=犯罪多発地帯
となっており、大変危険です。
ドラッグが蔓延し、
ギャングの抗争もあり、
とても子供3人連れて住めません。
夫がもし懲戒免職になれば、
我が家はここまで没落してしまうんです。
子供3人がかわいそうでたまりません。
まさか先進国アメリカで信じられないかもしれませんが、
母子のホームレスはいます。
よくマーケットの駐車場で、
「ホームレスです。
子供のミルクを買う為にお金をください。」
と紙を持った母子を見ました。
お母さんが薬物依存性で、
ドラッグ欲しさに、
子供を巻き添えにして、
ホームレスのフリをしているケースもあります。