夫が突然、


「僕は薬物依存症だ。」



薬物依存症は否認の病といわれ、

「絶対に自分は依存性ではない。」と

死ぬまで言い続ける人もいます。


夫もずっとそうでした。



私は夫の口から、夫が薬物依存依存症であることを認めた発言を聞き、


驚きました。


しかし夫の話を聞いてあげたいと思い、

冷静に相槌を打ちました。



私は、車を運転しながら、

「うん…。」


と答えると、



夫はもう一度、

「僕は薬物依存症だ。

しかもかなり重度の。」

(Very very heavy one.)



Very を二度と、ゆっくり言いました。



私は車を運転しながら、夫を見ました。


夫の目に涙がたまっていました。

 



そして夫が

「あらためて、大事な話がある。」




「うん。」




「僕は咳止めの乱用をやめなければならない。


その代わり、タバコを吸うことを認めてほしい。」





はい?ポーン



な、なぜ?滝汗





「あなたは依存性だよ?


あなたは

タバコを吸うと、お酒を飲みたくなる。

(夫は薬物依存症になる前は、アルコールで大失態を起こし、米軍から夫に禁酒命令が出ています。

米軍からの命令なので、従わない場合、軍法違反となり逮捕や懲戒免職もあります。)


そしてあなたはお酒を飲むと、薬を乱用する。



お酒、市販薬に限らず、

あなたは依存性という病気を持っている。


タバコも依存物質のひとつ。


依存性を回復するには、

お酒、薬物、そして準ずるタバコも全てを絶たないといけない。」





「だからタバコだけにする。

タバコの段階で止める。」





「今までタバコの段階で止めれなくて、

タバコ、お酒→薬物に流れたんだよ?」





「凜、

君は依存性じゃないから、

依存性のことは理解できない。」





「その通り、

私は依存性ではないから、依存性の人の気持ちが全く理解できない。


最愛の子供がいながら、酒や薬物を乱用する人のことは、宇宙人なみに理解できない。



でもね、

私は薬物依存症になった夫の隣に、約2年間いた。

この約2年間、あなたの隣で、 

あなたが崩壊していく姿を見てきた。


そして薬物依存症を、理解しているであろう医者や専門家が書いた本を読みまくった。


日本の本2冊、アメリカの本2冊。


日本語でも英語でも、だいたい書かれていることは同じ、

それを読んで、あなたが典型的な薬物依存症であることを理解した。



そして薬物依存症を

私よりも理解しているであろう

医学部卒の精神科医や専門家が書いた本には、


どこにも

『薬物依存症を止めるためには、

タバコを吸いましょう!』

なんて書いてない。


むしろ全ての依存物質を断たなければならない。


『量を減らす』

『週末だけ飲む』

『他の軽い依存物質に代替する』

では無意味などころか、どんどん依存症は悪化する。」






「凛、君は僕に薬物乱用をやめてほしいのか、ほしくないのか。」





「やめるか、やめないかはすべてあなた次第。

私の意志は一切、あなたに関係ないはず。

それはこの約2年でよく理解したよ。


でもね、

もし今、私の意見が重要であると考えてくれるのであるれば、

じゃあ別の視点からもうひとつ聞いて。


タバコは、日本円で1箱800円。

毎日吸えば、20年間で600万円。


そのお金は、家族を崩壊させる懸念のある依存性物質よりも、

子供3人の大学進学費用にするべき。



あなたは何故、米軍に入隊したの?

あなたのご両親が大学費用を工面できなかったからだよね?


あなたのご両親はタバコやお酒やドラッグはやめなかったのに、

『ウチにはお金がない、だからお前は大学には行けない。』

と言って、


それであなたは

『両親は酒やらタバコを買う金はあるのに、僕の教育費は捻出せずに、それが悔しかった。』とよく私に言ってたよね。


だから今、同じことを自分の子供にするのは良くないと思うよ。


父親と母親として大事なことは、


子供の教育費用を捻出すること。

そして子供の為に、健康でいること。





すると夫は…


驚きの言葉を口にしました。


「僕は大人だ!

僕は自分のやりたいことは、

何でもできる!」





…出たポーン


夫の父も母も言っていた、


私が大っ嫌いな言葉ゲロー




「そうだ、

あなたは大人だ。


そして子供の父親だ。


子供の父親は、

子供の為に

我慢しなければならないことが

沢山ある。


あなたのご両親はそれをしてこなかった結果、

あなたの自尊心がボロボロになった。


だからあなたは今、

依存物質を我慢しろ。


『タバコで、お酒や薬物をやめられる』

なんてトンチンカンなことを言っている場合じゃない。


最愛の子供の自尊心に関わる。」





夫は

「もう僕は薬をやめなければ、死んでしまう!

もう自殺しよう…。」




…何言ってんすかね、

この野郎は…。





夫はいきなり車を降り、

「もう自殺するしかない…」



は?


私に向かって、


「もういいよ、行け!

僕を置いて、行け。」



なるほど…



私は車を発車させました。



理由は、


行けと言われたからです。




「僕は大人だ!やりたいことは何でもやれる!」

(I am an adult so I can do whatever I want!)

って夫家族に限らず、

アメリカ人がよく言うんですが、

腹立ちますね〜笑い泣き


我が子には、大学進学の時に言われたいです。

「私は大人だ!やりたいことは何でもやれる!」って。


そしたら私は喜んで送り出します。

「素晴らしい。よし、行け!」って。