夫に、


今までどこにいたのか、


何がどうなったのか、


そしてこれからどうなるのか


車を飛ばしながら聞きました。




すると…


「僕には、

君と子供に対する接見禁止命令が出ていた。


(※Military protection order=MPOと呼ばれていました。)


だから…

バラックと呼ばれる独身寮から、仕事に通っていた。」





…は?

(驚き①ポーン)





「…で?」




「なに?」(その①)





「『なに?』って、

薬物依存症の治療は受けられたの?」






 「尿検査は毎日されたが、

薬物は検出されなかった。」





「…だからそれは、

覚醒剤、ヘロイン、コカイン、マリファナ等の違法ドラッグの検査だからね。


あなたが乱用しているのは、

市販薬の咳止めだから、

あの尿検査では検出されないよね。


軍警察も、

あなたの上官も、

あのドラッグ検査があなたに無意味なことはわかっているはず。」




「…。」



「じゃあ薬物依存症の治療は受けてなかったの?」




「受けてない…。

毎日、普通に仕事に通っていた」


…は?ポーン

(驚き②)






「…で?」





「なに?」(その②)





「『なに?』って、

あなたはどうなるの?」





「今日の午後3時、

1ヶ月間の接見禁止命令が終わった。

家に帰れる。」




「私が聞きたいのは、そこじゃない。

あなたに処分は?」





「…ない。」



…。


驚き、

…というより、


もし立っていたら、

失神していたでしょう。





軍警察は、あれだけの騒ぎを起こして、


(いや騒ぎを起こしたのは夫なのか…)


世界一の軍事費だとか軍装備だとかうたっている

米軍は

バカなのか



「ところで、君はキャリッサという名前の女性を知っている?」




「ああ、キャリッサ…」




「児童相談所のクソ女が、

僕のマスターチーフのとこにやってきて、

『彼に薬物依存症の治療を受けさせろ』

と騒いでいる。」



キャリッサ…!



鳥肌が立つほど、

感動で震えました。



「ちょっと!

キャリッサをクソ女と言うな!」



「知ってるの?

児童相談所の職員だぞ、言いがかりをつけて、子供たちをさらわれるぞ!」




「キャリッサは私の大事な友達だ。


私が苦しい時にキャリッサはいつも私のそばにいてくれた。


そしてキャリッサは、私の子供たちを心の底から心配し、助けてくれている。


ある意味、

親のあなたより、

キャリッサの方が今、

私の子供たちのことを考えてくれている。」



「何を言ってる、

僕は子供たちのことを一番考えている。


僕はこの子たちの父親だ、

子供たちと君が何よりも一番大事だ。」



何を言ってんだ、

コイツは…と思いますが、


悲しいことに、

夫は本当に子供たちのことを大事に思っているんです。


全く行動に伴っておらず、

嘘つきだと思われるでしょうが、


本当に子供たちのことは何よりも大切にしている…


だから薬物依存症は厄介なんです。


一番大切な子供たちを愛しみながら、


結果として家族を崩壊させていくんですから。



「ところで明日行きたい場所がある。

君と子供たちと。


そして君に大事な話がある。」



ええ、聞きましょう。

その大事な話を。