ある日、児童相談所の職員キャリッサが我が家に遊びに来てくれて、(=家庭訪問)



「凜、米軍病院と保険会社であなたの子供たちの通院記録を見せてもらったけど、

子供たちは歯医者さんへ歯科クリーニングとフッ素を塗りに行ってないね…。」




「行ってないよ。

アメリカの歯科保険のシステムがよくわからなくて…。」




「アメリカではね、だいたい半年に一回、子供たちを連れて歯医者さんへ歯科クリーニングとフッ素をぬりに行かなければならないのよ。知らなかった?」




「知らなかった…。どこの歯医者さんで予約できるのかな?」




「私が予約を取っておいた。

金曜日3時半に、◯◯通りの歯医者さんへ行ってね。」




「ありがとう、必ず行くよ。」




「凜、知らないかもしれないから重要なことを伝えるわ。

歯医者さんは、当日キャンセルをするとキャンセル料が請求されるよ。」




「そ、それはこわい。ゲローアメリカの歯科医療は高額だからね。」




「それにしても米軍の健診の記録を見たけど、あなたの子供たち誰も一切、虫歯がないのね。

歯科クリーニングもフッ素も塗ってないのに、今まで虫歯にさせなかったなんて、あなたはすごいわ。」





「それは…夫がよくやってくれたから。

毎晩、夫が子供たちの歯を一生懸命みがいてくれていた。」




「そうだったのね…。」




そして歯医者さんの予約の日。


私ひとりだと、遅刻なんてないのに、

子供たちを連れて…となると、色々なアクシデントが起こり、

予約時間のギリギリに滝汗




「早く!早く!

ママ、キャンセル料を払いたくないよ!」



子供たちを急かしながら、車のチャイルドシートのベルトを閉めていたら…




一台の車が。




そこにいたのは

夫の上司クリスさんと、


制服姿の


は?

何故そこに?


1ヶ月ぶりに見る夫の姿。



…いや、

時間がない!


「子供たちを歯医者さんに連れて行かないといけない!

遅れてる!」



「わかった…僕も行く!」


車の助手席に乗り込む夫。



慌てて車を飛ばしながら、


私は夫に


「ねえ、


今までどこにいたの?


何がどうなった?


そして、これからどうなるの?」




夫の答えに…



ポーン

目が飛び出ました。




私がいた地域、だいたい男性は、赤か黒のシボレーのトラックに乗っていました。