アメリカのインターネットで


「薬物依存症 治療」を検索すると、


沢山ヒットする、


「ご家族の依存症でお困りなら、今すぐ私たちにお電話を!


私たちが今すぐ助けます。」


と書かれたフリーダイヤル。



↑写真の通り、アメリカでも違法ドラッグだけてはなく、市販薬や処方薬の依存性がとても多いです。



電話をしました。


ご親切なオペレーターに15分ほど相談をすると、


「さあ、本題に入ります。

あなたのご主人を、

私たちの依存症専門施設へ入所させましょう。


施設には精神科医、心理士、沢山の専門家もいます。」




「は、はい。」




「ストレートに言いますが、

費用は6ヶ月で$30000です。


あなたは払えますか?」





「6ヶ月で$30000…

日本円でだいたい30万円ですか。


何とかします。」





「さっそく手続きをしましょう。」




「念のため確認ですが、

6ヶ月で$30000ですよね?


毎月$30000✖️6ヶ月ではなくて?」




「6ヶ月で$30000です。」




「ああ良かった、毎月$30000なら、とても払えないので。

我が家は普通の公務員の月収なんです。」





…と話しながら、


ふと。


あれ?


「あ…私、ドル=円換算を勘違いしていたかも…。


6ヶ月で$30000…


6ヶ月で300万円

ですか!?」




高すぎる


そんな大金ない。



しかし冷静に考えたら、

6ヶ月で30万円なはずないですよね。


日本のダルクの入所費用も1ヶ月20万円くらいなので…。



「ご、ごめんなさい…。

金額を勘違いしていました…。

払えません。」




「分割も相談に乗りますよ。

分割回数によって、分割手数料がだいたい20%かかりますが…。」



「ご、ごめんなさい。

どう考えてもウチでは無理です。」



誤解を恐れずにいえば、

アメリカの薬物依存症は

貧困層が多いといわれています。


また例え中流層でも、

薬物依存症になれば、

必ず貧困に陥ります。


入所されている方々はどうやって300万円も払えたのだろう…



おそらく入所できるのは、

親が富裕層のその子供に限る気がします。




 

時折、アメリカのテレビのドキュメンタリーで観ていたアメリカの依存症回復専門施設。


お医者さんや心理士さんなどの専門家が

実の親のように

依存症患者に敬意を持って

優しく寄り添っていました。


(依存症は病気なので、患者と表現します。)




お医者さんや専門家は白衣を着ず、医者ぶらずに、お父さんやお母さんのように患者さんと仲良く過ごして、


大人でも通信大学に通わせてくれて、好きな勉強をやらせてくれたり、


音楽療法や、スポーツ療法も取り入れ、

一緒にギターを弾いたり、バスケをしたりしていました。




そういえば日本の沖縄の依存性専門病院のお医者さんが講演会でおっしゃっていたのですが、


依存性患者さんがスリップした時、厳しく説教したり、閉鎖病棟に閉じ込めたら、


依存性患者さんがどんどん自殺をしてしまったそうです。



このままじゃいけないと、アメリカの精神科に留学したら、


「アメリカの依存性専門のお医者さんは、

白衣を着ていなく、普段着で依存症患者に混じり、

患者に敬意を持って、友達みたいに仲良く接していた。




そして信頼関係を得て、寄り添い、一緒にゆっくり治していく。



医者は決して説教したり、突き放したりせず、

『辛かったね、buddy(親友の意味)』と、とことん、そばに寄り添う。




薬のために売春婦にまで陥った依存性患者に、


『君はそんなサバイバルを生き抜いてきたなんて、

強いんだね、すごいな!』


と称え、


ハグをしたり、

『私たちはあなたを愛している。

そして強いあなたを尊敬する。』


と。






しかしドキュメンタリーで

依存症患者の出所後のその後

を観ると、

決してみんなが治るわけではなく、


地元に戻った瞬間、スリップし、

もっと悪化してしまったり…。


ドキュメンタリーを観ていると、つい夫に重ねて、応援してしまうので、

「もうあの方は大丈夫だろう」と思っていた方のスリップはとても悲しいです。


依存症という病気のおそろしさです。