私は夫の上官に、夫の薬物依存症について相談をする準備をしていました。
口頭で言っても仕方がないので、
恐ろしい動画も用意しました。
私がスマホで撮影した、
夫がオーバードーズをしている恐ろしい動画。
決してオーバーではなく、本当に本当に恐ろしいです。
夫の目が
左右にガチャ目になったり、白目を向いたり、
体は左右にユラユラと揺れ、
呂律が回らず…
会話はしていますが、
全く会話のコミュニケーションは取れません。
これを見せよう…。
すると…
私が退院した数日後、
夫の上司がたまたま、我が家を訪ねてきました。
米軍はランクが1つ上の人が、指導社員のようにお世話をしてくれます。
名前は失念しましたが、夫のいわゆる”指導社員”を仮にクリスさんとします。
クリスさんは、私が精神科に入院した騒動を心配して、我が家に訪ねてきました。
クリスさんは夫の2つ上の白人男性でした。
私はクリスさんを見て、
これはチャンスだ!
と思いました。
何故ならクリスさんの奥さんは深刻なアルコール依存性を抱えているからです。
奥さんはクリスさんの浮気を疑い、
クリスさんが同僚と昼ごはんを食べにレストランに行ったら、奥さんが電話をかけてきて酔っ払って泣きわめいて、「隣にいる女を出せ!」と言い、私の夫がビデオ電話に出て説明したり、
夜に夫婦の話し合いの途中でクリスさんが寝たら、奥さんは泥酔して下着姿のまま、外に飛び出してバッドでクリスさんの車をボコボコにして、警察沙汰になりました。
一度離婚し、2人は復縁したものの、元の木阿弥。
似たような騒動が続いて、クリスさんはまた離婚を考えているものの、「死んでやる!」と暴れる奥さんに苦労していました。
クリスさんと私は同じ立場。
だから私の苦しみも理解してくれるだろう。
話が早い。
しかしクリスさんご夫婦には、まだお子さんもいないし、
クリスさんは仕事をして、
アルコール依存性の奥さんは専業主婦。
クリスさんは医療機関に奥さんをつなげることもできるので、
何となく、我が家のような、
「夫が薬物依存症で、妻が専業主婦で、保育園に入っていない乳幼児がいる」ケースの方が悲惨だ…とは思ってしまいますが。
私は夫が奥の部屋に行ったのを見計らい、リビングにいるクリスさんに、小声で
「クリスさん、大事な話があります。」
「どうしたの?」
「最近、私が拘置所や精神科の緊急保護施設に入院し、騒動を起こしたのは、
夫が市販薬を乱用しているからです。
もう2年になります。
何とか私が米軍にバレずに治そうとしましたが、もう限界です。
夫に治療を受けさせたいです。」
クリスさんは、
「え!!」
混乱していました。
「だって米軍には、抜き打ちの薬物検査が年に数回もあるよ。
彼はそれに引っかかってないし…。」
「米軍の薬物検査は、覚醒剤、ヘロイン、コカイン、マリファナなど、違法薬物の検出しかしません。
夫が乱用しているのは市販薬の咳止めです。」
「市販薬って…。」
「本で読んだのですが、
市販薬の咳止めの乱用は、覚醒剤より精神依存が強いらしいです。
第一、違法ドラッグなら廃人になる前に逮捕されて刑務所へ入れられるから、まだマシです。
咳止めの乱用は、警察も介入できないし、本当にどうしようもならないんです。」
クリスさんは混乱をしていました。
極め付けに私は、
「この動画を見てください。」
スマホの動画を見せました。
するとクリスさんは…。
驚きの言葉を発しました。