11月のある日、また違う支援団体が訪ねてきました。
女性2人、母子シェルターの職員さんでした。
そして私と子供に母子シェルターへの入所を提案してきました。
母子シェルターは、
安全な場所に、私と子供を隔離して、
私と子供が生活できるように、お金を払ってくれるそうです。
しかし外出、仕事に制限があると言われました。
私と子供たちは、今から見学に来るように言われました。
しかし施設は非公開だから、彼らの車に乗っていかなければいけないと言われ、
咄嗟に私は「それなら行かなくていい」と言いました。
悪い予感がしたんです。
しばらく説得されましたが、特別に私の車を運転していいと許可をもらい、並行して運転をして行きました。
施設は非公開といわれましたが、
インターネットで検索すれば、場所や写真が出てきます。
緊急の精神保護施設はインターネットで全く写真が出てきませんでしたが…。
念のため、別の州の施設を載せます。
部屋は個室ですが…
デジャヴだ
個室に思い出の2段ベッドが2つあり、
母と子供4人まで泊まれますが、
私の第1子はとてもじゃないけど走り回れません。
窓はありませんでしたが、写真のように自然光が入る造りでした。
部屋にはキッチンはなく、お食事は広いダイニング・ルームで提供されるそうです。
子供が遊べるプレイルームもあり、見せていただきました。
さすがアメリカ、広くて走り回れますが、どことなく影があり、寂しく感じました。
それもそのはず、プレイルームにも窓がないのです。
母親だけのミーティング・ルームも見せていただきました。
ミーティングは朝と夜あり、参加は推奨とのことでした。
プレイルームの様子は、入口に写真で飾られており、母親たちの顔などが認識できないように後ろ姿だけ顔でしたが、
やはり影があります。
それからこの写真でもそうですが、
私が見た施設でも、
黒人系、ヒスパニック系、イスラム教徒の方が多かったです。
母親同士、会話をするのはオッケーですが、
氏名や住所を言ったり聞いたりすることは禁止。
ミーティング・ルームでのみ、
「何故ここにいるのか」を話してもいいですが、
普段の会話では禁止。
私はとにかく、個室に私のヤンチャすぎる第1子、第2子が生活するのは無理だと感じました。
第1子は長い廊下を走り回り、いくら止めても聞かないのです。
「私は大丈夫です。
もっと大変で必要な方に入っていただいてください。」
すると、
「いや、あなたのケースは、かなり深刻よ。」
何となく、まだ夫からの給料は入るし、
家も車もあるし、
私は料理と洗濯はできました。
我が家は、もともとアメリカならでは、
大きなウォークイン・クローゼットが各部屋にあり、散らかりにくい環境でした。
子供部屋のみオモチャが散乱していましたが…。
私は掃除好きではないものの、
整理整頓はまあ得意だったので、
何とか保てていました。
私のケースは深刻だと言われ、
少しビックリしてしまいました。
それでも説得され、
私は言ってしまいました。
「もう隔離されるのは嫌なんです。
拘置所、
精神科の緊急保護施設、
この前は私が火事を起こして、
どこかに隔離されそうになりました。
夫が何かを起こすたびに、
私が隔離されます。
(↑火事を起こしたのは私でしたが)
私は耐えられましたが、
子供たちが隔離される謂れはない。」
何とか説得を交わし、
帰り道…
2歳半の第3子が、
「ママ、ソニック(ファストフード店)に行きたい。トムとジェリーのオモチャが欲しい。🐱🐭」
と言いました。
テレビCMで、お子様セットでトムとジェリーのオモチャがもらえると観たからです。
4人でソニックへ。
ソニックは、ファストフードですが、フレンチ・トーストがあるので好きでした。
店員さんがローラー・スケートに乗って、食べ物を届けてくれるので、子供たちはワクワク、私はハラハラして、食べ物を待ちました
黒人の店員さんに、
「日本人?」と聞かれ、はいと答えたら、
「日本か中国か、どっちか忘れたけど、ひとりっ子政策で、きょうだいが持てないんだよね?」
このようにアメリカでは
「日本か中国かは忘れたけど、」
で、日本と中国をほぼ同じと思われてしまうんですよね。
政治も言語も全く違うんですが。
その時、こんな話を思い出しました。
アメリカに来てすぐ、
私の夫は、
「妻がホームシックにならないように、同じ日本人のママ友を作ってあげたい。」と思い、
上官に相談したそうです。
上官は、
「それなら◯◯の奥さんを紹介しよう。」
しかし◯◯さんは中国系アメリカ人、
奥さんは中国出身の中国人で、
英語は話せず、中国語のみだそうです。
夫は、
「え、ちょっと待ってください。
それなら◯◯の奥様と、僕の妻はどうやって会話するんですか」
と聞いたら、
上官は真顔で、
「同じ言語だろ、日本と中国は。
どっちも漢字だし。」
あの時の夫は優しかったな、とふと思いました。
そしてソニックで嬉しそうにお子様セットを食べながら、トムとジェリーのオモチャに喜ぶ子供たちを見ながら、
やっぱりこの子たちに母子シェルターでの隔離は無理だと思いました。