家に夫はいなくなりました。


子供たちは、相変わらず朝早くから元気に走り回っていました。


私は夜、眠れなくなりました。

ご飯が食べられなくなりました。


夜、眠れなくても、ご飯が食べられなくても、

昼間は子供たちの育児をしなければなりません。


本を読んであげたり、一緒に走り回って遊んであげたり、お菓子を作って食べさせてあげたかったです。

一番、楽しい時期ですよね。


かわいい幼児たち。


私はその場にいるものの、いつもボーッとソファに座っていました。


それでも子供たちはニコニコして、私に抱きついてきてくれました。


とても不憫で、かわいそうです。


私がしっかりしなければ、と思っていても、いつも闇のように包まれる感覚。


かわいい子供たちの、この幼児の姿を必死で目に留めておこう、と思い直しても、

気づいたらボーッとと考えこんでしまいました。


これからどうなるんだろう。


夫は懲戒免職になるのか。


米軍を懲戒免職になれば、

アメリカ国内での再就職は絶望的になる。



子供たちは朝早くから走り回り、夜8時にはぐっすり就寝。


私は昼間は全く食べられないのに、

突然、夜中にお腹が空くようになりました。



何故か夜中にハッシュポテトだけが食べたくなりました。


それ以外のものはのどを通らず、

ハッシュポテトだけが無性に食べたい…。




私は油に火をかけ、

キッチンのダイニング・テーブルに座りました。


しばらくまた考えこんでしまい、


ふっと気づくと、


ボンッと


音がして…



油の火が上がりました。




あっ!


…火事!